ある日、獣医さんの助けを必要としている子猫の姉妹が動物病院に運ばれてきました。子猫達はどちらも目が見えず、全身がノミだらけで、胃に問題を抱えていました。その後、オーストラリアのブリスベンにある保護施設『ベスト・フレンズ・フィーラインズ』が子猫達のことを知ると、ためらうことなく子猫達を受け入れることを決めました。
「子猫達を診察した獣医さんからは、シャム猫の女の子が小眼球症で、茶トラの女の子が無眼球症だと伝えられました」と保護施設のニッキさんが言いました。
子猫達は最初からとても甘い性格で、すぐにスタッフ全員の心をとりこにしました。また子猫達は空間を記憶する能力が非常に優れていて、新しい場所に来るとすぐに頭の中に地図を作成することができました。
「ふたりは一度もトイレを失敗したことがなく、いつも明るく、とても幸せそうで、遊ぶことが大好きで、愛情を感じるとすぐに喉を鳴らし始めます。」
子猫達の養育主になったケリーさんは部屋に小さな囲いを作って、子猫達の頭の中に少しずつ地図を作成させようとしました。しかし、子猫達はすぐに身の回りの空間を把握して、その日が終わる頃には部屋全体の地図が出来上がっていたそうです。
「ふたりは家に来てすぐに私のことを驚かせました。ふたりは完全に目が見えませんが、ふたりに出来ないことは何もありません。ふたりは身の回りのことを100%把握していて、問題なくご飯や水のところまで辿り着けます。ふたりは他の子猫達のように遊んで、楽しそうにイタズラをしています。」
ケリーさんはそんな子猫達に『パール(シャム猫)』と『マイリー(茶トラ猫)』と名付けました。
出典:BestFriendsFelines
子猫達は部屋のあらゆる場所を把握していて、自分達がどこに行くべきか、どこに何があるかを正確に知っています。「ある日、私が用事を済ませるために一度部屋を離れて戻ってくると、ふたりがキャットツリーの上で満足そうに座っていました。」
子猫達は非常に好奇心が旺盛で、誰にも子猫達の行動を止めることはできません。「ふたりが遊びながら部屋の中を移動している姿はとっても自然で、顔を見ない限り、目が見えていないことには気づかないことでしょう。ふたりはいつも愛らしく、見ているだけで笑顔になります。」
ケリーさんは子猫達の養育を始めてから1週間で、子猫達が驚くほどの絆で結ばれていことに気づきました。「私はふたりの様子をずっと見てきて、ふたりの絆が非常に強いことに驚かされました。」
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「ふたりは一日のほとんどの時間を一緒に過ごしていて、どちらかが離れ過ぎると、もう一方がすぐに不安そうな姿を見せます。これは動物病院に行った時に、さらにはっきりと確認できました。」
子猫達が1つのキャリーに入って動物病院に到着した後、ケリーさんはマイリーだけを検査のために連れ出しました。するとパールが必死になってマイリーのことを探し始めたのです。またマイリーの方もパールが隣にいないことに明らかに不安を感じていました。
「私はすぐにパールをキャリーから出して、マイリーのそばに置きました。するとふたりはすぐに落ち着きを取り戻し、検査中もずっと大人しく座っていました。ふたりはお互いのために常に一緒にいる必要があります。」
ケリーさんはこれまでに15年以上養育活動を行ってきましたが、パールとマイリーの絆の強さは今までで一番だそうです。「ふたりは目が見える子猫達よりもお互いに頼り合っていて、常に一緒にいたいと思っています。」
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その後、子猫達は健康上の問題から回復し、ケリーさんの家の残りの部分を調査する準備を整えました。
「日中は養育部屋のドアを開けたままにして、ふたりが部屋の外を探索できるようにしました。ふたりはまだそれほど遠くまでは行っていませんが、いつも好奇心が旺盛で、少しずつ移動する範囲を広げていっています」とケリーさんが話してくれました。
遊ぶことが大好きな子猫達はボール紙で作られたオモチャと、鈴がついた羽のオモチャに夢中になっています。子猫達は動くオモチャを正確に捕まえることができ、いつも楽しそうに全力で遊んでいるのです。
出典:BestFriendsFelines
こうして路上から保護された目の見えない子猫達は、優しい人達のおかげで新しい人生をスタートさせることができました。子猫達はこれからも安全な家の中でお互いに愛情を注ぎ合いながら、幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:BestFriendsFelines/lovemeow