ある日、カナダのコーンウォールにある保護施設のメリッサさんが、お腹の大きな妊娠中の猫を保護しました。それから数週間後、『ジューン』と名付けられた猫は、養育主さんの家で無事に子猫達を出産しました。
同じ月の終わり頃、メリッサさんは衰弱した状態で歩道で発見された、独りぼっちの子猫についての連絡を受けました。子猫はとても身体が小さく、体重は僅か82gしかありませんでした。そんな状況にもかかわらず、子猫は生きたいという強い意志で何とか命をつないでいました。
孤独な子猫にとって母親の愛情が大きな力になることを知っていたメリッサさんは、すぐに子猫を引き取ることを申し出ました。メリッサさんは子猫を自宅に連れて帰ると、子猫に『ジェイニー』と名付けました。
メリッサさんはジェイニーに病気が無いことが確認できたら、ジューンに紹介しようと考えていました。
ジェイニーはフィーバーコートという状態で生まれたため、珍しい模様になっていました。これは母猫が妊娠中に病気で高熱を出したり、ストレスを感じたりした時に起こることがあります。
ジェイニーはまだとても幼く、一日中世話を続ける必要がありました。また、この年齢の子猫は自分で体温を調整することができないため、メリッサさんは温度調節のできる保育器の力を借りることにしました。
ジェイニーはいつもお腹がいっぱいになると小さな前足で柔らかいものをこねながら、至福の表情を見せてくれます。ジェイニーはメリッサさんの献身的な看護のおかげで、3日後には100gを越えることができました。
一方のジューンはジェイニーの声に強く反応していました。ジューンは保育器の中でミルクを飲むジェイニーの姿を、いつも心配そうに見守っていたのです。
それから数日でジェイニーはさらに成長し、随分と体重が増えました。その間にジェイニーの毛は、灰色から徐々に黒へと変わっていきました。
そして2週齢になったジェイニーは、ジューンに会う準備を整えました。ジューンはジェイニーの鳴き声を聞くとすぐに走り寄ってきて、優しくジェイニーの毛づくろいを始めました。
「ジューンは一瞬でジェイニーのことを我が子として迎え入れました」とメリッサさんが言いました。
「ジューンはそれから10分ほど毛づくろいを続けて、自分の子供達にミルクを与え始めました。今まで独りぼっちだったジェイニーがみんなに寄り添う姿は、私の心を一瞬で溶かしました。」
ジェイニーは人工哺乳で育てられてきたためジューンのミルクは飲みませんが、快適さを求めてジューンや子猫達に寄り添うことが大好きになりました。
その後、子猫達のうちのひとりが、新しく妹になったジェイニーのことをとても気に掛けるようになりました。『ジャスミン』と名付けられたその子猫は、いつもジェイニーと一緒に行動するようになったのです。
「ジェイニーと一番仲良くなったのはジャスミンですが、他の子猫達もジェイニーのことを受け入れてくれました。」
その後、ジェイニーの目が開き始めると、ジェイニーは兄弟と一緒に遊びたくて、おぼつかない足取りで兄弟の後を追いかけるようになりました。また、メリッサさんがミルクの時間に養育部屋に入ると、ジェイニーが一直線に向かって来るようになりました。
ジェイニーは兄弟よりも2週間ほど年下ですが、サイズが足りない分を大きな個性で補っています。ジェイニーはトイレの使い方を学び、他の兄弟のように全てのことをひとりで出来るようになっていきました。
ジェイニーは4週齢で1ポンド(約453g)を超えました。ジェイニーはいつもジューンお母さんの行動を観察しながら、毎日を元気いっぱいに過ごしているのです。
「日々成長を続けているジェイニーは、ついに兄弟の移動について行くことができるようになりました。彼女はとっても甘えん坊で、私や兄弟の姿を見つけると大きな声で鳴き始めます」とメリッサさんが話してくれました。
生まれた直後に辛い時期を過ごしたジェイニーですが、保護先で出会ったみんなのおかげで素敵な花を咲かせることができました。ジェイニーは現在、安全な家の中でたくさんの愛情を感じながら、幸せいっぱいの毎日を送っているのです(*´ω`*)
出典:tiny but mighty kitten rescue/lovemeow