ある日、地元の保健所に生後2日の子猫『セレーネ』と母猫が運ばれてきました。猫の親子は保健所のケージの中で、先の見えない生活を送ることになったのです。
そんな中、親子のことを知った保護施設『キャット・アダプション・チーム』は保健所から親子を救い出すと、養育ボランティアのシェルビーさんに世話をお願いしました。
「セレーネは生後5日の時に私の家にやって来ました。彼女はまだ生まれたばかりのサイズでした。しばらくして彼女の目が開くと、これまでに見たことがないくらい魅力的な子猫だと感じました」とシェルビーさんが言いました。
セレーネはすぐに新しい家に落ち着きましたが、母猫の方は新しい環境になかなか馴染むことができませんでした。そのため母猫はセレーネにミルクを与えなくなり、最後にはミルクが出なくなってしまったのです。
「セレーネはミルクを求めて鳴いていました。私はお母さんの代わりにミルクを用意して、彼女に飲ませることにしました。彼女はとてもお腹を空かせていたため、今まで飲んでいたものとは違うミルクでしたが勢いよく飲み始めました。」
セレーネが生後2週半くらいになった頃、シェルビーさんはセレーネのヘソの緒がおかしいことに気づきました。
「私がセレーネをお風呂に入れていると、あることに気づきました。普通の子猫なら生まれてから3〜5日でヘソの緒の部分が塞がっているはずですが、彼女はヘソの緒の部分が破れて、開いたままになっていました。」
シェルビーさんはセレーネが母猫に舐められることで傷が悪化するのではないかと心配しました。しかし、親子を切り離したくはありませんでした。そこでシェルビーさんは靴下のつま先部分を切って、セレーネが手足を通すための4つの穴を開けてミニセーターを作ったのです。
「どうやらセレーネはセーターが気に入ったようで、セーターを着たままお母さんの毛づくろいを楽しみ始めました。」
セーターは傷の回復を助けるだけでなく、その暖かさがセレーネに快適さも与えているようでした。
それから間も無くして、母猫は病気のため子育てができなくなってしまいました。そのため保護施設に戻って、獣医さんの元で治療が行われることになりました。
シェルビーさんは母猫に代わってセレーネの世話を一日中続けました。
「セレーネはとても気まぐれな女の子です。彼女はとても要求が多くて、いつも元気いっぱいです。私はこれまでに彼女ほどオモチャ好きの子猫に出会ったことがありません。」
セレーネは食事が終わるたびに大きな音でゴロゴロと喉を鳴らして、新しいお母さんの手の中で眠りにつきました。
さらに甘えん坊のセレーネは、「ずっとお母さんと一緒にいたい」と要求してきました。そこでシェルビーさんはセレーネを常に抱っこできるようにベビーキャリーを作って、カンガルーのように運び始めました。
「私はセレーネが様々なことを学べるように、彼女と同い年の3匹の保護子猫達を家に迎えました。すると彼女は早速、一緒に混ざって遊び始めました。」
「それから数日でセレーネはとても社交的になりました。彼女は友達にコッソリと忍び寄って、飛びかかるのが大好きです。」
セレーネは生後7週目で体重が630gになりました。セレーネが家に来た時は96gだったため、体重が何倍にも増えました。
セレーネはシェルビーさんの献身的なケアのおかげで、とってもお茶目で愛情深い子猫へと成長することができたのです。
セレーネの幸せそうな姿を見ていると、どれだけ愛情を注がれているかが伝わってきますね。これからもセレーネは温かい家族に見守られながら、素敵な猫へと成長していくことでしょう(*´ω`*)
出典:fosterkittenlove/lovemeow