サミュエルとの出会い
ノルウェージャンの『サミュエル』は、今の飼い主のレクシーさんに会うまでの2年間は、とても長い道のりでした。最初の飼い主さんはサミュエルに対しての愛情が薄かったのか、サミュエルとの仲が悪く、引っ越す時に置き去りにしました。
保護施設に引き取られたサミュエルは、その後いくつかの里親さんのところに行きましたが、人間に懐くことはなく、何度も保護施設へと戻されたのです。
そして、出会ったのがレクシーさんでした。レクシーさんと初めて会った時のサミュエルは、いつも怒っていて、非常に攻撃的な猫でした。しかし、レクシーさんは、たとえ信頼関係が築けなくても、サミュエルがずっと暮らせる家を用意してあげようと決意したのです。
当時のレクシーさんはルームメイトといっしょに、2匹の子猫を引き取ろうと話していました。しかし、実際に保護施設を訪れ、サミュエルの話を聞いた時に、その考えは変わりました。人を恐れ、艶のない毛並みをしていたサミュエルこそ、救ってあげなければいけない猫だと思ったのです。
もちろん保護施設のスタッフには「サミュエルを飼うのは難しいだろう」と言われましたが、レクシーさんは考えを変えることはありませんでした。
サミュエルとの暮らし
家で暮らし始めてからもサミュエルの様子は全く変わりませんでした。しかし、レクシーさんは焦りませんでした。サミュエルがご飯を食べているときに優しく話しかけ、ご飯を食べ終わった時にはたっぷりと褒めてあげました。
それから数週間後
レクシーさんが寝室に行くと、ベッドの上で眠るサミュエルの姿を発見したのです。しかし、レクシーさんがベッドに近づくと、すぐに遠くへ行ってしまいました。
7ヶ月後
自らレクシーさんに触れることがなかったサミュエルでしたが、7ヶ月経ったある日のこと、レクシーさんの膝の上に飛び込んで来たかと思うと、レクシーさんの手に頭を擦りつけてきたのです。レクシーさんは突然のことに驚きましたが、その行動に涙が出るほど嬉しかったそうです。
しかし、サミュエルは完全に心を開いたわけではありませんでした。サミュエルは頭以外の部分を触らせてくれなかったのです。
1年半後
ついにサミュエルはレクシーさんの膝の上でゴロゴロと喉を鳴らし始めたのです!
それ以降、急速に心を開いていったサミュエル。5年が経った今では、こんなに仲良くなりました。
すっかり甘えん坊になったサミュエルですが、お腹だけはどうしても触らせてくれないようです。でも、自分の方からお願いごとがあると、頭をいっぱい擦りつけてくるそうです♪
こちらは動物病院で撮影した写真。胴体は長い毛で覆われていますが、何故か足だけは毛が短いそうです。
レクシーさんに心を許したサミュエルは、お茶目な姿を見せることが多くなりました♪
いっしょに暮らす猫とベッドで眠るサミュエル。とても満足そうな顔をしていますね。
家に来た時には2歳だったサミュエルも7歳になりました。
この5年間、サミュエルといっしょに暮らしてきたレクシーさんは「猫がどれだけ人間を恐れていようとも、辛抱強く待つことで必ず心を開いてくれる」と確信しているそうです。これは実際にサミュエルの心を開いたレクシーさんだからこそ、言える言葉なのかもしれませんね。
レクシーさんとサミュエルは家族のような絆で結ばれています。素敵な飼い主さんに出会ったサミュエルはとっても幸せ者です。これからもサミュエルは、自分のことを大切に思ってくれるレクシーさんといっしょに、幸せな毎日を送っていくことでしょう。
出典:LEXY DANIELS