ある寒い日のこと、公園で母親のいない迷子の子猫が見つかりました。子猫は凍えて衰弱していて、必死に助けを求めていました。
その後、地元の動物病院に運ばれた子猫は、すぐに治療を始めました。子猫は食べることにも苦労していて、非常に荒れた姿をしていました。病院のスタッフ達は保護施設『シャトンズ・オルフランズ・モントリオール』に連絡をして、子猫を養育することができるかを尋ねました。
「私達は子猫を引き取って、24時間体制で食事の世話を始めました」と保護施設のセリーヌさんが言いました。
そして子猫の体重が増え始めたと思ったら、突然容態が悪化しました。「保護から丸一日が経とうとしていた時、子猫は食事をしなくなり、急激に衰弱していきました。私達はすぐに動物病院に向かい、子猫が汎白血球減少症を患っていることが分かりました。」
厳しい状態の中、セリーヌさんと彼女のチームは『リッチー』と名付けた子猫のために戦い続けました。またリッチーは24時間体制の治療を受けるために病院に残りました。
「リッチーは自分で食べることができなかったため、先の見えない状態が続いていましたが、決して諦めることはありませんでした。」
そして入院の2日後、リッチーは病院のスタッフ達に見守られながら座れるようになりました。そして4日後、リッチーはご飯を少しずつ食べ始めて、徐々に食欲を取り戻していったのです。
「リッチーは病院で何とか生き延び、養育主さんの家に行けるほどに元気になりました。」
リッチーは同じ年齢の子猫達よりも小さな身体をしていましたが、高い回復力を持っていました。リッチーは大変な状況だったにもかかわらず、立ち直って、成長を続けました。
「リッチーは生後6週間で多くの試練を経験しましたが、今は大変な時期を過ごしたことが分からないくらいに元気に過ごしています。」
数週間の栄養補給の末、リッチーは完全に回復し、丸いお腹を見せてくれるようになりました。リッチーは溢れ出すエネルギーで部屋中を動き回って、その愛らしい個性で部屋中を明るくしました。
そんなリッチーが他の猫と交流し始めると、すぐに22歳の最年長の猫の『マーシャ』に夢中になりました。マーシャもリッチーのことを優しく迎え入れて、まるで我が子のように育て始めました。
マーシャはリッチーと一緒にソファーで昼寝をして、リッチーが独りにならないように気を配って、リッチーが安心しているかを常に確認していました。
また家にいる数匹の猫達もリッチーと一緒の時間を過ごし、たくさんの愛情を注ぎ続けました。するとリッチーの愛らしい個性がさらに輝きを増していったのです。
すっかり好奇心が旺盛になったリッチーは、養育主さんがパソコン作業をしている時にモニターの後ろから監視してくるようになりました。リッチーは時々、養育主さんがキーボードを打つリズムに合わせて、キョロキョロと顔を動かしているそうです。
「リッチーの体重は毎日増え続けています。彼は愛情深く、イタズラ好きで、遊び好きです。また人間の上で寝るのが好きで、他の猫と遊ぶことが大好きで、何も恐れているものはありません」とセリーヌさんが話してくれました。
こうして寒さの中で保護されたリッチーは、優しい人達のおかげでここまで成長することができました。リッチーは現在、クリスマスのホリデーシーズンを養育主さんや先住猫達に囲まれながら幸せいっぱいに過ごしているのです。
出典:comrescuemontreal/lovemeow