ある日、ニューヨークのブルックリンで活動している保護団体『フラットブッシュ・キャッツ』のスタッフが、野良猫のコロニーに向かっている途中で1匹の猫に出会いました。猫は非常に痩せ細っていて、全身がひどく汚れていました。
「私が通りかかった時、猫を発見した人がご飯を食べさせていました。私は猫を保護するためにキャリーを取りに走りました。そしてキャリーにご飯を入れて、猫が入ってくるのを待ちました」とスタッフのウィルさんが言いました。
出典:flatbushcats
猫はその後、躊躇することなくキャリーの中に入ってきました。どうやら猫は既に路上での生活に別れを告げる準備ができていたようです。
「猫は空腹で、ひどく喉が乾いていました。猫の毛は私達が今までに見たことがないほどにボロボロの状態で、ツヤが全くありませんでした。」
ウィルさん達は猫に『テディー』と名付けました。「テディーは長い路上での生活で片耳に傷を負っていました。彼は最初から人間に慣れていたため、以前誰かに世話をされていたのかもしれません。彼は常に誰かに愛されたいと思っていて、体調が悪いにもかかわらず、たくさんの話しかけてきました。」
美味しいご飯でお腹を膨らませて、たくさんの水を飲んだテディーは、すぐに幸せを感じたようでウィルさん達に擦り寄ってきました。ウィルさん達はブラシでテディーの絡んだ毛をほどいた後、全身を綺麗にするためにお風呂に入れました。
4回のお風呂とたくさんのブラッシングの後、テディーの毛はすっかり綺麗になって、ツヤも回復しました。するとテディーはとっても気分が良くなったようで、ウィルさんの膝の上で丸くなって幸せそうに眠り始めました。
「血液検査の結果、テディーは腎機能に問題があり、貧血と診断されました。また尿検査を行なった結果、尿路感染症だと分かりました。彼は獣医さんに必要な処置をしてもらい、抗生剤による治療を始めました。」
テディーは自分自身を毛づくろいすることができなかったため、ウィルさん達はテディーの身体をいつも綺麗にしてあげました。幸いなことにテディーはずっと食欲を保っていたため、確実に身体を回復させていくことができました。
ウィルさん達はテディーを毎日抱っこして、たくさんの愛情を注ぎ続けました。
そして再びテディーを獣医さんに診てもらったところ、良い知らせを受けました。テディーの症状は確実に回復してきていて、より力強くなっていたのです。
たくさんの愛情と24時間体制の看病で、テディーは回復を続けました。そしてついにテディーは自分で毛づくろいができるようになって、みんなのことを驚かせました。どうやらテディーはそのことをとても誇りに思っているようです。
「幸いなことにテディーの食欲とエネルギーは良好です。私達は彼の元気そうな姿を見ながら、いつも喜びを感じています。」
周りの人達のおかげで元気を取り戻すことができたテディーは、すっかりハグのとりこになったそうです。
ずっと路上で暮らしてきたテディーの身体には、至るところに戦いの傷跡が残っています。しかし、愛情を注いでくれる人達が現れた時、テディーの人生は大きく変わり始めたのです。
テディーはもう飢えに苦しむことも、避難場所を探して彷徨い歩く必要もありません。心優しいウィルさん達のおかげで新しい人生を歩み始めたテディーは、これからも安全な家の中で穏やかな毎日を送っていくことでしょう。
出典:flatbushcats/lovemeow