ある日、ご飯を探し回っていた猫が家の庭に現れたことに住人家族が気づきました。猫のことが気になった家族がご飯を用意すると、猫は定期的に戻ってくるようになりましたが、家族とは距離を置いていました。
家族は猫の信頼を得ようと約1年間ご飯の世話を続けた後、猫が妊娠していることに気づきました。家族は生まれてくる子猫達のためにも猫を保護しようと試みましたが、どうしても保護することができなかったため、地元の保護団体『コミュニティー・キャット・クラブ』に助けを求めました。
その後、保護団体のスタッフが捕獲器を設置しましたが、賢い猫はそれを何度も回避しました。家族は猫が捕獲器を避け続けている間も衰弱しないように、ご飯と水を切らさないように心がけていました。
そしてある夜のこと、突然猫が家の外に現れたため家族がドアを開けると、まるで自分が家を所有しているかのように、躊躇することなく家の中に入ってきました。そんな猫の予想外の行動に、家族はとても驚いたそうです。
猫は一通り家の中を調査すると、居心地の良い場所を探し始めました。そしてすぐに陣痛が始まったのです。
「猫は結局その日の夜に4匹の子猫達を出産しました」と保護団体の創設者のサラ・シャープさんが言いました。
『トリクシー』と名付けられた猫の出産が終わると、保護団体のスタッフ達が猫の親子を迎えにきて、養育主さんの家へと連れて行きました。
トリクシーは養育主さんが用意してくれた大きな子猫部屋に安心するまで、大切な4匹の子猫達と一緒にキャリーの中で過ごしていました。その後、徐々に新しい環境に慣れてきたトリクシーは、フカフカのベッドや食事のサービスにとても満足しました。
最初の2週間、トリクシーは子猫達のそばをほとんど離れず、24時間体制で子猫達にミルクを飲ませて、全身を綺麗な状態に保ちました。
生後2週間で目が開いた子猫達は、寝床から脱出しようと試み始めました。子猫達はフラフラしながら動き回るようになって、お腹が空くとトリクシーのお腹にくっついて、ミルクを飲んだり、お腹をこねたりしていました。
子猫達は成長と共に好奇心が増していって、それぞれの個性が現れてきました。子猫達は毎日足を鍛えて、バランス感覚を磨き、身の回りの世界を探索しようとしました。
トリクシーは子猫達が寝床の外に最初の一歩を踏み出すのを見守って、遠くに行き過ぎないように常に気に掛けていました。
またトリクシーは子猫達にレスリングの仕方を教え、自ら小高い山になって子猫達を登らせました。子猫達は日を追うごとに勇敢になって、より遊び好きになっていきました。
現在のトリクシーは子猫達が部屋中を飛び回ったり、あらゆるものによじ登ったり、無限のエネルギーでシッポに飛びついたりするのを温かく見守っているそうです。
「子猫達は現在生後4週間で、養育主さんの家でとても順調に育っています」とサラさんが話してくれました。
今後、子猫達が乳離れして独り立ちしたら、トリクシーは子育てを終わらせて、生涯の家で新しい人生を歩み始めることでしょう。
こうして1年間世話をしてくれた家族のおかげで、トリクシーは安全な家の中で大切な我が子に全ての愛情を注ぐことができました。家族は養育主さんの家で幸せそうに過ごすトリクシーの姿を見ながら、いつも大きな喜びを感じているそうです。
出典:communitycatclub/lovemeow