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路上での生活に別れを告げる準備ができていた猫が自らケージの中へ! その行動が生まれてきた我が子の命を救うことに!

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ある日、カナダのモントリオールを拠点に保護活動をしている女性が、家の裏庭にやって来た地域猫達の世話をしていると、お腹を空かせた妊娠中の若い猫に出会いました。

猫はまるで路上での生活に別れを告げる準備ができているかのように、女性が用意したケージの中へと真っ直ぐに入ってきました。

「猫はお腹がはち切れそうなほどに大きくなっていて、今にも出産しそうな状態でした」と保護施設『シャトン・オルフラン・モントリオール』のセリーヌさんが言いました。

セリーヌさんは女性から妊娠中の猫を助けて欲しいという連絡をもらうと、ためらうことなく猫を引き取ることに決めました。猫はすぐに保護施設に運び込まれると、たくさんのご飯と暖かい毛布が用意された養育部屋で過ごし始めました。

猫は最初、少し緊張しているように見えましたが、すぐに快適な環境に安心したようで、撫でて欲しそうにしてきました。

「私達が『ベラトリックス』と名付けた猫は、すぐに養育主さんの愛情を求め始めました。彼女は保護の当日にゴロゴロと喉を鳴らし始め、仰向けになってお腹を撫でられていました。」

新しい環境に落ち着いたベラトリックスは、すぐに出産の日を迎えました。ベラトリックスは2時間の間に3匹の健康的な子猫を出産しました。

生まれたばかりの子猫達はすぐに全身を綺麗にしてもらって、ミルクを求めてお母さんのお腹にもぐりこみました。しかしその後、養育主さんが子猫達の状態を確認していると、何かがおかしいと感じました。子猫達は全く成長しておらず、逆に体重が減り始めた子猫もいたのです。

そして養育主さんはベラトリックスがミルクを作り出せていないことに気づきました。

「ベラトリックスは素晴らしいお母さんで、子猫達の全身を綺麗にして、安心させるために喉を鳴らし続けていましたが、ミルクを作り出すことができなくて人間の助けを必要としていました。」

養育主さん達はすぐに24時間体制で子猫達にミルクを飲ませ始めました。一方のベラトリックスは毎回の人工哺乳の後に子猫達の世話を引き継ぎました。

「養育主さん達は子猫達の命をつなぐために、最初の夜は一睡もせずに1時間おきにミルクを飲ませ続けました。」

それから数日が経つと、ベラトリックスは徐々にミルクを作り出すことができるようになっていきました。子猫達はベラトリックスのミルクを飲んで、足りない分を人工哺乳で補いました。そのおかげで子猫達はお腹をいっぱいに膨らませることができ、寝床の中を元気に動き回るようになったのです。

「子猫達が生後2週間を迎えるまで、ベラトリックスは十分なミルクを作り出すことができませんでした。子猫達は養育主さんの力を借りながら、少しずつ身体を大きくしていきました。」

それから数週間で子猫達は飛躍的に成長し、できることを徐々に増やしていきました。そして離乳の時期を迎えると、子猫達は部屋の中を動き回って、疲れて眠たくなるまでお互いのことを追いかけるようになったのです。

「子猫達の姿は非常によく似ていますが、それぞれに個性があります。『ルナード』は一番小さくて、一番好奇心が旺盛です。彼は私達が何をしているのかをいつも知りたがっていて、毎日私達のことを追いかけ回しています。」

「『パトモル』は誰よりも遊び好きで、身の回りにあるもの全てをオモチャにして、みんなの注目を集めることに夢中になっています。そして『コーンドルー』は一番ののんびり屋で、昼寝をする時はいつも人間のそばにやって来ます。」

そんな子猫達が親離れしていくにつれて、ベラトリックスは徐々に自分の好きなことに時間を費やすようになっていきました。ベラトリックスは新しくできた猫の友達に寄り添ったり、まるで子猫のように無邪気に遊び回ったりしているそうです。

こうして人間との生活を始めたベラトリックスは、もうこの先ずっとご飯や避難場所の心配をする必要はありません。ベラトリックスは完全に人間のことを信頼していて、自分や子猫達が愛されていることを知っているのです。これからもベラトリックスはたくさんの愛情を感じながら、幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:comrescuemontreallovemeow

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