今から1年ほど前、カナダのモントリオールにある保護施設『シャトン・オルフラン・モントリオール』のセリーヌ・クロムさんが、食べ物を探して家の近所を彷徨い歩く野良猫の姿を発見しました。
猫のことが気になったセリーヌさんは、庭のポーチにご飯を置き始めました。そして、気温が急激に下がり始めると、セリーヌさんは猫を保護することを決めて、ポーチに捕獲器を設置しました。
するとその日の夜遅くに、ポーチの方から物音が聞こえてきました。セリーヌさんが静かに外の様子を確認すると、捕獲器の周りでご飯を食べている3匹の子猫達の姿を発見しました。
その後、3匹のうちの1匹がドア越しにセリーヌさんの飼い猫の姿を発見して、興味深そうに見つめてきました。他の2匹の子猫達は飼い猫に気づくとすぐにポーチから逃げていきましたが、サバトラの子猫だけはドアの方へと近づいてきて、ドアに手を掛けながら家の中を覗いてきたのです。
ドア越しに飼い猫と簡単な挨拶を交わした子猫は、再び空腹を満たすためにご飯を探し始めました。「私は子猫を驚かせたくなかったため、その場に停止しながら子猫が捕獲器に入るのを待ちました。子猫は周りの匂いを嗅ぎながら食べ物を探していました。」
そして、子猫は匂いをたどって捕獲器の中へと入り、路上での生活に別れを告げました。子猫はセリーヌさんに保護されると、暖かい家の中で眠りにつきました。
セリーヌさんは保護施設を通して子猫の健康状態を確認し、避妊手術を行うと、社会化のために養育主さんを探し始めました。また、セリーヌさんは自宅のポーチで、野外に残っている猫達の保護活動を続けました。
「私達は保護した子猫に『ガロウ』と名づけました。彼女は生後6ヶ月で、人間との接触がほとんどありませんでした。そのため最初は人間のことを非常に怖がっていました。」
セリーヌさんから話を聞いた養育ボランティアのジェラルディンさんは、ガロウを自宅へと連れて帰って養育を始めました。ジェラルディンさんはガロウを落ち着かせるために静かな部屋を用意して、安心させるために多くの時間を費やしました。
そして、ガロウが自分の身体を撫でることを許すと、急速に人間のことを受け入れていき、より多くの愛情を求めるようになったのです。
「ガロウはハグと寄り添うことに幸せを感じ、ジェラルディンさんや他の保護猫達と仲良くなっていきました。彼女は人間のことを信頼し、猫の友達と一緒に過ごしながら、猫として生きていくために必要なことを学んでいきました。」
保護から数ヶ月が経つ頃にはガロウは完全に心を開き、とっても甘えん坊な子猫に変わっていました。また、撫でられることが大好きになり、チャンスが訪れるたびにナデナデアピールをするようになったのです。
ガロウは家にいる全ての猫と仲良くなりましたが、一番仲良くなったのが『タキシード』という名前のハチワレの先住猫でした。「ガロウはタキシードに恋をして、家中で彼の後を追うようになりました。ふたりはいつも一緒に昼寝をして、一緒に多くの時間を過ごしました。」
ガロウはこの家でジェラルディンさんの小さな影になり、タキシードの親友になりました。ガロウは毎晩ジェラルディンさんに寄り添って、愛情いっぱいのハグを楽しんでいるそうです。
そして現在、ガロウが保護されてから1年以上が経ちました。ジェラルディンさんはずっとガロウの様子を見守ってきて、既にガロウが自分の家を見つけていることに気づいていました。
そのためジェラルディンさんは今月、正式にガロウを家族の一員として迎えることに決めたのです。
「タキシードがガロウを愛情いっぱいに抱き寄せ、ガロウが幸せそうに腕の中で丸くなった瞬間、私達はふたりが永遠に結ばれる運命にあることを強く感じました。ふたりはこれからもずっとお互いに愛情を注ぎ合いながら、楽しい時間を過ごしていくことでしょう」とセリーヌさんが嬉しそうに話してくれました。
こうしてガロウは愛情深いタキシードによって、ジェラルディンさんの家に迎えられました。ガロウはこれからもタキシードやジェラルディンさんの愛情を全身で吸収しながら、いつまでも幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう(*´ω`*)
出典:Rescuechatonsmontreal/lovemeow