ある日、ガレージで見つかった野良猫が、地元の保護施設に運ばれてきました。猫は全身が汚れていて、アゴの下に怪我を負っていました。
保護施設のスタッフ達が猫の絡んだ毛を剃っていると、猫が妊娠していることに気づいて驚きました。そしてそれから10分も経たないうちに、猫が出産を始めたのです!
『バニー』と名づけられた猫は、安全な施設の中で6匹の子猫を出産しました。保護されてすぐに母親になったバニーですが、あまり多くのミルクを作り出すことができなかったため、子猫達の成長には養育主さんの助けが必要でした。
その話を聞いた養育ボランティアのロビン・アンダーソンさんは、猫の親子を自宅へと連れて帰りました。そして、バニーの負担を軽くし、身体の回復をサポートするために、子猫達に補助的にミルクを飲ませ始めたのです。
それから数週間後、ロビンさんは田舎の町にある保護施設から、助けが必要な『クライド』と『キューティー』という名前の2匹の子猫を引き取りました。「2匹は迷子になっていたところを保護されました。私は2匹を引き取って、バニーが受け入れるかを確認することにしました」とロビンさんが言いました。
ロビンさんはバニーに2匹の子猫を会わせてみました。するとバニーは2匹の匂いを嗅いだ後、「シャー!」と声を荒げて遠くへと行ってしまったのです。
しかし、2匹が自分の子供達と接するのは問題が無いようで、2匹が子供達の塊の中に入っても、不満を言うことはありませんでした。
残念ながらバニーに距離を置かれてしまった2匹でしたが、白茶のクライドはお母さんの愛情を諦めきれませんでした。クライドはどうしてもバニーに甘えたくて、自分の想いをバニーに伝えることに決めたのです。
クライドはバニーに近づくために、全てのチャンスを逃しませんでした。クライドはいつもバニーの周りを歩き回り、自分の存在をアピールして、コッソリと近づいて寄り添いました。
最初は何度もバニーに威嚇されたクライドでしたが、その反応にへこたれることはありませんでした。妹のキューティーは他の子猫と遊ぶことに興味を持っていましたが、クライドはバニーの心を勝ち取ることを決して諦めることはありませんでした。
クライドはバニーがどこに行っても後を追いかけました。するとバニーは徐々に警戒心を解き始め、クライドに鼻キスをするまでになったのです。
バニーが子育てを休んでいる時も、クライドはバニーに振り向いてもらうために駆け寄りました。そしてバニーが子育てに忙しい時は、他の子猫達に混ざりながらバニーに寄り添いました。
クライドは常にバニーのそばに留まって、注意を引こうとし続けました。そしてバニーの背中に登り、シッポで遊んで、何度も話しかけました。
またバニーがひとりになった時は、さらに自分の存在を猛アピールしながら一対一の時間を過ごしました。クライドはバニーと一緒にいられる時間が嬉しくて、幸せそうな姿をたくさん見せてくれたそうです。
「最初にバニーがクライドに向かって『シャー!』と威嚇した時も、クライドはバニーに向かっていきました。そして、それから何度威嚇されてもクライドは諦めませんでした。クライドはいつも微笑みながら、ヨチヨチと近づいていきました。」
そして、ついにクライドはバニーの心を完全にこじ開けたのです!
現在のバニーはクライドが寄り添ってくることを歓迎して、いつもクライドの心を幸せにしているそうです。
クライドは完全にバニーの影のような存在になっていて、他の子猫がバニーの近くにいない時は、バニーを独り占めしながらたくさんの愛情を吸収しているそうです。
バニーがクライドの額を舐め始めると、クライドはすぐに身を任せます。とっても甘いクライドは大好きなお母さんにいつも夢中で、一緒にいられることに最高の幸せを感じているのです。
こうしてお母さんの愛情を求めていたクライドは、猛アピールの末についに自分の夢を実現させることができました。一方のバニーもすっかりクライドのことを我が子のように思っていて、いつもたくさんの愛情を注ぎ続けているそうです。
出典:love.and.hisses/lovemeow