ある日、1匹の猫が引っ越した家族によって置き去りにされ、家に帰れなくなってしまいました。突然のことに混乱した猫はひとりで近所を彷徨い始めて、しばらくすると妊娠しました。その後、猫は元の家に引っ越してきた家族によって保護されて、地元の保護施設『セーラム・フレンズ・オブ・フィーラインズ』へとやって来ました。
出産の時期が迫っていた猫は、お腹の赤ちゃんを安全に育てられる場所を探していました。そんな猫の話を聞いた養育ボランティアのケイラさんは、すぐに猫を預かることを決めました。
「保護施設のスタッフ達は猫がとても甘いと言っていましたが、私はきっと他の猫と同じくらいだろうと思っていました」とケイラさんが言いました。
『ナコマ』と名づけられた猫は、最初は少し内気でした。ナコマはキャリーケースからゆっくりと顔を出して、新しい環境を隅々まで注意深く調べ始めました。その後、ナコマはここが安全な場所だと分かると、快適なベッドの上で横になって、ゴロゴロと喉を鳴らしながら、嬉しそうにベッドをこね始めました。
「ナコマは一度気を許すと、信じられないほど甘い猫へと生まれ変わりました。」
ナコマのお腹は日に日に大きくなっていきました。そして保護から約2週間後、ついに出産の準備に入ったのです。
ケイラさんは母子の安全を確保するために、ナコマのそばでサポートを続けました。ナコマはそんなケイラさんに見守られながら6匹の子猫を出産し、そのうちの5匹が命をつなぐことができました。
母親になったナコマは疲れ切っていましたが、空腹の子猫達にミルクを与え始めました。ナコマは子猫達と出会えたことが嬉しくて、部屋全体に響き渡るほどの大きな音で喉をゴロゴロと鳴らし始めたそうです。
「ナコマは私がこれまでに育てた中で最高の母親のひとりです。彼女の子育ての様子を見ていると、彼女はどれだけ子猫達を愛しているかが分かります。」
「もし子猫達が少しでも声を出すと、ナコマはすぐに話しかけて、子猫達が大丈夫かどうかを確認します。」
最初の数週間、愛情深いナコマはほとんど子猫達のそばを離れませんでした。ナコマは一日に何度も子猫達にミルクを飲ませ、全ての子猫が綺麗に保たれているかを確認しました。
その後、約2週齢になった子猫達は目が開き始め、耳が立ち上がってきました。また子猫達の足腰が徐々に強くなり、好奇心が高まるに連れて、部屋の中を探索するようになりました。
ナコマは常に子猫達の様子を見守り、誰かが遠くへ行き過ぎないように確認していました。またナコマは子猫達が鳴くとすぐに駆けつけて、熱心に毛づくろいをして、子猫達を落ち着かせました。
「私は5週間ほどナコマと一緒に過ごしています。彼女はまだ少し内気なところもありますが、現在の彼女は部屋の中を歩き回っていて、人間の愛情を求めてきます。」
5匹の子猫のうちの4匹がナコマと同じ茶トラ猫で、それぞれ『デイビー』『ウィリー』、『トミーボーイ』、『ボタンズ』と名づけられました。残り1匹は白猫で『スモールズ』と名づけられました。
子猫達はみんなナコマお母さんとケイトさんのケアで成長していて、日に日にヤンチャで力強くなっているそうです。
ナコマは子猫達を安全な場所で育てることができ、子猫達が幸せそうに過ごしていることに大きな喜びを感じているのです。
「ナコマはいつも愛情に満ちていて、とても甘いお母さんです。彼女はいつもゴロゴロと喉を鳴らしながら、柔らかいものを嬉しそうにこね続けています」とケイトさんが話してくれました。
こうしてお腹の赤ちゃんのために安全な場所を探していたナコマは、無事にケイトさんの家に辿り着き、子育てに全ての力を注ぐことができました。きっと愛情いっぱいに育てられた子猫達は、これから出会う新しい家族の元にも、たくさんの幸せを運び続けることでしょう。
出典:salemfosterkittens/lovemeow