ある日、ラスベガスで子猫の養育を行なっているニッキ・マルティネスさんが、保護施設で1匹の子猫に出会いました。「子猫は迷子になっていたところを保護されて、施設に連れて来られました。彼女は原因不明の障がいを抱えていて、里子に出ることができませんでした」とニッキさんは言いました。
子猫の身体は弱々しくて、自分で起き上がれないほどでした。スタッフ達は子猫が何度も転倒して、立ち上がることにとても苦労していたため、小脳低形成かもしれないと思っていたそうです。
ニッキさんはそんな子猫をケージの中から連れ出して、『ホイットニー』と名づけて自宅で養育を始めました。
「家に着いた直後のホイットニーは、全く力がありませんでした。彼女はすぐに転んで、再び立ち上がるまでに時間がかかりました。彼女は自分の爪を引っ掛けて、一生懸命に立ち上がろうとしていました。」
ニッキさんの家で暮らし始めたホイットニーは、静かな子猫部屋で確実に元気を取り戻していきました。この時はまだホイットニーの病名は分かっていませんでしたが、ニッキさんはホイットニーが新しいスタートを切ったことを強く感じました。
一日も経たないうちにホイットニーは自分の足で歩き始め、トイレも使えるようになりました。ホイットニーの身体はグラグラしていましたが、誰もホイットニーの行動を止めることはできませんでした。
「ホイットニーの足は不安定でしたが、彼女はベッドやトイレ、そしてご飯の容器までひとりで移動することができるようになりました。彼女はオモチャで遊ぶのが好きで、とても愛らしい個性を持っています。」
ニッキさんの献身的なケアのおかげで温かい愛情を知ったホイットニーは、ニッキさんに撫でてもらいたくて大きな声で鳴くようになりました。
「私がホイットニーと一緒に長い時間を過ごしても、彼女はひとりになるとすぐに鳴き始めました。彼女は自分と同じくらいの兄弟を必要としていました。」
そこでニッキさんはホイットニーのために保護子猫を探し始めました。
そしてニッキさんは2匹の兄妹『ピッコリーノ(兄)』と『バンビーナ(妹)』に出会いました。ゴミ捨て場の近くで発見された兄妹は、ニッキさんの24時間の看護で無事に元気を取り戻すことができました。
「きっとホイットニーは、ピッコリーノやバンビーナと一緒にいることで寂しさを感じなくなることでしょう。そして兄妹と一緒に遊ぶことで、彼女の俊敏性は自然と鍛えられることでしょう。」
3匹の準備が整った時、ニッキさんはホイットニーにピッコリーノとバンビーナを紹介しました。すると3匹はまるでずっと一緒にいたかのように、すぐに仲良く遊び始めたそうです。
それから数日間でホイットニーの足が強くなり、ぐらつきが小さくなっていきました。
そして昨日、ホイットニーは動物病院へ行き、獣医さんの診察を受けました。「獣医さんはホイットニーの症状を診て、4本の足(特に後ろ足)が外側に広がるために立ったり歩いたりできなくなる、スイマーズ症候群の可能性が高いと伝えてきました。」
「さらに獣医さんは、ホイットニーと兄妹が一緒にいるのはとても素晴らしいことだと言ってきました。そしてホイットニーの筋肉をより強くするために、これからも兄妹と一緒に遊ばせることを勧めてきました。」
ホイットニーは今も少しグラグラしていますが、特に足に痛みなどは感じていないそうです。またホイットニーは獣医さんの証明書を得たため、無事に里子に出られるようになったそうです。
ニッキさんは3匹が深い絆で結ばれているため、一緒に引き取ってくれる里親さんを探すことに決めました。「私はこれからも彼らのことを応援していきます。そして必ず、彼らが幸せに暮らすことのできる最高の家を見つけようと思います。」
今から約3週間前のホイットニーは、かろうじて身体を起こせるほどでした。しかし今のホイットニーは、優しい兄妹と一緒に暮らし、元気に部屋の中を走り回って、幸せいっぱいに過ごすことができるようになったのです。
こうしてホイットニーは優しいニッキさんのおかげで、新しい人生をスタートさせることができました。すっかり元気を取り戻したホイットニーは、これからもピッコリーノやバンビーナと一緒に幸せな毎日を送っていくことでしょう。
出典:myfosterkittens/lovemeow