ある嵐の日に、アリゾナ州クイーンクリークに住む女性が、バーガーキングのドライブスルーで子猫の鳴き声を聞きました。
女性が辺りを見渡すと、ドライブスルーに面した道路に子猫の姿を発見しました。女性は車から嵐の中に飛び出して子猫を救い上げると、自宅へと連れて帰りました。そして、子猫を育ててくれる人を探して、Facebookグループに子猫についての投稿をしました。
その後、保護団体『オール・アバウト・アニマルズ・レスキュー』のメリッサさんがその投稿を見つけて、女性に連絡を取りました。そして、一緒に活動している保護団体『ニューボーン・キトゥン・レスキュー』のクリスティーさんが、養育活動を行う『ジンズ・ボトル・ベビーズ』のシェルビーさんへと電話をしました。
保護された子猫はまだ幼く、24時間の世話が必要でした。子猫は体重が不足していて、全身が汚れていて、たくさんのノミがついていました。シェルビーさんは子猫を自宅に連れて帰ると、早速お風呂に入れて、美味しいご飯を食べさせました。すると子猫はとても落ち着いたようで、暖かいベッドの中で眠り始めたそうです。
「悪天候の中で見つかった子猫はずっと野外で暮らしていましたが、幸いにも良い条件の中で育っていたようです。子猫は最近まで母親に世話をされていました。でも移動の途中で、母親と離ればなれになってしまったようです」とシェルビーさんは言いました。
『ワッパー』と名づけられた子猫は絶えず鳴いていて、決して独りになりたくありませんでした。そんなワッパーの悲しそうな声を聞いて、先住猫の『ニトロ』が優しく世話をしてくれるようになったのです。
ニトロはワッパーの姿を確認すると、毛づくろいをして、子守りを始めました。ワッパーはニトロの優しさに安心したようで、すぐに喉を鳴らし始めたそうです。
「ワッパーの人生はその時から変わりました。彼はとても落ち着いて、室内生活を受け入れました。彼は家の中が気に入ったようで、常に嬉しそうに喉を鳴らしています。」
そんなワッパーと同じように、ニトロも幼い時に助け出されて、シェルビーさんに育てられた保護猫でした。「ニトロは人工保育の子猫が大好きです。彼女は自分が人工保育で育ったため、同じ境遇の子猫達の気持ちが良く分かっているのかもしれません。」
そんな優しいニトロの助けを借りて、ワッパーはすっかり元気を取り戻しました。ワッパーは保護から2日で体重を50g増やし、歩くことを学び始めました。
シェルビーさんの家にはワッパーの他に、『ポピー』という名前の養育中の子猫がいました。シェルビーさんがワッパーにポピーを紹介すると、すぐに2匹は仲良くなって、一緒に遊んだり、寄り添うようになったそうです。
「ワッパーは現在、幸せで、健康で、もうどこにもノミはいません。彼はとっても甘えん坊で、いつも大きな音で喉を鳴らしています。」
「ワッパーは非常に活発になっていて、身の回りの音や動きに反応して、後を追いかけるようになりました。」
一方、保護団体のスタッフ達はワッパーの母親や兄弟を見つけようと、バーガーキングの近くで保護活動を続けているそうです。
「私達は今回、みんなのチームワークでワッパーを守ることができたことに、大きな喜びを感じています。これから子猫達が多く産まれる時期を迎えますが、今回のようにみんなで協力しながら、1匹でも多くの猫達を幸せにできるように頑張っていきたいと思います」とシェルビーさんは話してくれました。
こうしてドライブスルーの近くで発見されたワッパーは、新しい人生をスタートさせることができました。現在4週齢のワッパーは、いつも元気いっぱいで新しい暮らしを楽しんでいるのです。今後ワッパーが十分に成長したら、素敵な里親さんを見つけて、幸せな毎日を送っていくことでしょう。
出典:Jinsbottlebabies/lovemeow