ある日、足を怪我した猫がひとりで路上にいたところを発見されました。心配した女性が家に連れて帰って怪我の状態を確認すると、緊急の治療が必要だと分かりました。
女性は地元の保護施設『シャトンズ・オルフランズ・モントリオール』に連絡をして、猫のためのスペースがあるかを尋ねました。この時の施設にはたくさんの動物達がいて、既に定員に達していましたが、ボランティアスタッフ達が猫を救うために団結して動き始めました。
猫は治療のために施設に連れて来られ、ボランティアの一人が自宅で養育することを申し出ました。その後、獣医さんに診察をしてもらうと、助けを必要としているのがその猫だけではないことが分かりました。
猫は驚くほど落ち着いていて、まるで自分を助けてくれていることを理解しているかのように、全ての治療を素直に受け入れました。そして獣医さん達が猫のお腹を検査すると、猫が妊娠していることが分かったのです。
猫は苦難の末に疲れ果てて、常にお腹を空かせながら生きてきたため、それから数日間はたくさんのご飯を必死に食べて、長い休息を取りました。すると猫の身体は随分と回復して、日に日にふっくらとしていきました。
幸いなことに猫の足は手術をすることなく治すことができました。猫は自由に動けるようになると身の回りの探索を始めて、行く先々で頭をぶつけながら挨拶をして、ゴロゴロと喉を鳴らしました。
「猫は子猫達が生まれてくるのを待っている間、ほとんどの時間を眠って過ごしていました」と保護施設のセリーヌ・クロムさんが言いました。
そしてついに猫は、自分にそっくりの4匹の子猫達を出産しました。
4匹のうちの3匹はミルクを飲むことができましたが、1匹は養育主さんの手助けが必要でした。また最初の2日間は母猫が十分なミルクを作り出すことができなかったため、養育主さんが代わりにミルクを与えました。
それから2日後、母性本能を完全に目覚めさせた母猫は24時間体制で子猫達にミルクを与えて、子猫達を清潔に保つなどの全ての世話ができるようになりました。
「養育主さんは子猫達の体重を毎日量って、確実に体重が増えているかを確認しました。4匹の子猫達のうちの2匹が女の子で、2匹が男の子です。子猫達はたくさんのミルクを飲んで、すぐに丸いお腹を見せてくれるようになりました。」
それから数週間で子猫達は飛躍的に成長し、新たな節目を迎えました。子猫達はいつも一緒に遊んで、一緒に昼寝をしています。そして成長と共に寝床の外に出るようになって、元気いっぱいに部屋中を駆け回るようになりました。
「母猫は子猫達のことをとても大切に育てていて、よく喉をゴロゴロと鳴らしています。妊娠中に怪我を負ってしまった母猫が、路上から助け出されたことは本当に幸運なことでした。」
子猫達は母猫や養育主さんのおかげですくすくと成長を続け、乳離れをして、それぞれの個性を輝かせ始めました。そんな子猫達の近くにはいつも母猫がいて、無邪気な子猫達のことを常に見守っているのです。
でも養育主さんが部屋に入ってくると母猫はすぐに挨拶しに来て、喉を鳴らしながら養育主さんに抱っこを要求してくるそうです。
「4匹の子猫達は容姿がとてもよく似ているため、区別がつくように色の違う首輪をつけています。子猫達はとても好奇心が旺盛で遊ぶのが大好きですが、静かに寄り添う時間も大切にしています。」
「『スリーズ』は子猫達の中で一番自立していて、『ブーブー』は探検家で、2匹の男の子の『ニンジャ』と『ノックス』はいたずらっ子です。」
一方、『チャララ』と名付けられた母猫は、生涯の家で甘やかされる準備ができています。とっても優しいチャララはいつも愛情を求めていて、全ての人や動物のことを愛しているそうです。
こうして路上から助け出されたチャララは、安全な家の中で4匹の子猫達に全ての力を注ぐことができました。きっと猫の親子の前には素敵な里親さんが現れて、いつまでも幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう(*´ェ`*)