ある日、9歳の猫の『シーモア』が保護施設『ホームワード・バウンド・キャット・アダプションズ』にやって来ました。
シーモアは自分が王様になれる家と、自分の癖や要求を理解してくれる愛情深い家族を必要としていました。施設にやって来たばかりのシーモアは少し内気で、いつも不機嫌そうに見えました。シーモアはキャットツリーの上から周りの様子を観察しながら、時間をかけて新しい環境に少しずつ慣れていきました。
シーモアの顔はいつも険しかったため、とても不機嫌そうに見えましたが、心の中は全く違っていました。
「シーモアはとても優しくて、気配りができ、好奇心が旺盛で、愛嬌のある姿をいつも見せてくれています。でも彼の不機嫌そうな顔が訪問者に誤解を与えているようでした」と保護施設のキンバリー・ウェイドさんが言いました。
シーモアは抱っこされるのがあまり好きではなく、少し恥ずかしがり屋でしたが、気の知れた仲間と一緒にいるのが大好きで、ブラッシングや撫でられることに幸せを感じていました。またシーモアはとてもお喋りで、何か伝えたいことがある時は躊躇することなく話しかけてきました。
そんなシーモアは施設で里親さんとの出会いを待っていましたが、なかなか引き取り手は見つかりませんでした。
「おそらくシーモアの不機嫌そうな顔や態度がみんなを遠ざけているのでしょう。でもそれは彼の第一印象に過ぎません。彼は人間のそばにいることが大好きな猫です。」
6月には86匹の譲渡が行われましたが、残念ながらシーモアの前には里親さんは現れず、施設に残されたままでした。シーモアは新しい家に旅立っていく猫達の姿をじっと見つめていました。
それからさらに1ヶ月が経ちましたが、シーモアの家探しは終わりませんでした。シーモアは相変わらずキャットツリーの定位置に座って、自分を迎えに来てくれる人が現れるのを辛抱強く待っていました。
そんな中、保護施設のスタッフの一人が自分の娘にシーモアの話をすると、その女性はすぐに施設を訪問することに決めました。
女性は訪問日にブラシを持ってきて、いつもの場所にいたシーモアの隣に座ると、シーモアの好物のオヤツを差し出しました。すると数分も経たないうちにシーモアが女性の元に近づいてきて、承認のしるしとしてオヤツを受け取ったのです。
「シーモアに直接会ってスタッフ達から話を聞くと、彼が愛情と静かな場所を必要としていることがよく分かりました」と女性が言いました。
そして里親さんを探し始めてから4ヶ月後、シーモアはついにスタッフ達に別れを告げて、生涯の家へと旅立っていったのです。
シーモアはすぐに新しい環境に落ち着いて、家の隅々まで自分のものにしました。さらにシーモアは足をきちんと折りたたみながら座って、喉を鳴らしながら愛らしい姿を見せてくれました。
「シーモアは現在、王様のように私達の家を支配しています」と女性が嬉しそうに話してくれました。
シーモアはもう1カ所に留まることなく、家中を自由に歩き回って、好きな場所で昼寝をしています。今のシーモアは何の心配もすることなく、いつもお腹を天井に向けながらぐっすりと眠っているそうです。
こうして保護施設でスタッフ全員に愛されていた不機嫌そうなシーモアは、静かで快適な生涯の家で新しい生活を始めることができました。シーモアは今の生活を心から愛していて、幸せいっぱいの毎日を送っているのです(*´ェ`*)
出典:homewardboundcats/lovemeow