ある土曜日の早朝のこと、保護団体『ホームワード・バウンド・アダプションズ』にアパートの住人から電話が入りました。
その日、数人の住人が廊下に放置されていたダンボール箱を発見し、中を確認すると母猫と若い2匹の猫達、そして6週齢の2匹の子猫達が入っていました。どうやら猫達は全員が血縁関係にあるようでした。
5匹の猫達は途方に暮れている様子で、箱の中で身を寄せ合っていました。母猫は最初はとても緊張していましたが、頭を数回撫でられると少し安心したようでした。
猫達の話を聞いた保護団体のスタッフ達が養育主さんを探している間、住人達が一時的なシェルターを用意しました。「住人のコートニーさんとその友人達がガレージに猫用のスペースを確保して、ご飯と水とトイレを提供してくれました」と保護団体のスタッフが言いました。
その日の夜、3匹の猫達は2匹の子猫達を抱きかかえながら、団子状態になって過ごしていました。母猫は子猫達に授乳して、兄猫達は子猫達を毛づくろいしながらたくさんの愛情を注いでいました。
猫達はコートニーさん達に気を許して、すぐに抱っこを受け入れました。どうやら子猫達はとても気持ちが落ち着いたようで、抱っこされるたびに居眠りをしました。
翌日、経験豊富な養育ボランティアのエレン・リヒターさんが、猫の親子を自宅に迎え入れました。そして、エレンさんがたくさんのご飯を用意すると、子猫達は母猫の真似をしながらご飯を食べる勉強を始めました。
『リリアンナ』と名付けられた母猫は、エレンさんの元ですぐに本来の個性を開花させました。「リリアンナは優しくて愛情深いお母さんです。また私のことを受け入れると、膝の上で横たわりながら甘えてくるようになりました」とエレンさんが言いました。
エレンさんが子猫達を世話をしている間、リリアンナと兄猫の『キャドベリー』と『シナバニー』は子猫達の要求に応えたり、家の中で新たな喜びを発見したりしていました。
「灰色のキャドベリーは非常に愛情深く、いつも子猫達を抱きしめながら寄り添っていました。」
一方、『チカディー』と『バニー・ブープ』と名付けられた子猫達は、エレンさんの家で日に日にヤンチャになっていって、お互いに飛びかかったり、転がったり、格闘したり、部屋中を走り回ったりするようになりました。
そして子猫達が遊び疲れると、エレンさんの膝の上でくつろぐようになりました。
リリアンナはエレンさんが子猫達をしっかりと世話していることを知ると、少しずつ子育てから離れていきました。そして子猫達が十分に成長すると、リリアンナとキャドベリーとシナバニーの3匹は、生涯の家族を見つけてエレンさんの元を旅立っていきました。
一方のエレンさんの家に残った子猫達ですが、バニー・ブープの方が成長が早く、チカディーよりも身体が一回り大きい状態でした。子猫達は食事と同じくらい人間に注目されることが大好きで、いつも愛らしい姿でエレンさんの気を引いてくるそうです。
またバニー・ブープは常にエネルギーの塊で、予想外の行動でチカディーのことをよく警戒させているそうです。
その後、生後10週を迎えた子猫達は里子に出られるくらいに成長しました。すると素敵な夫婦が子猫達の前に現れて、ふたりの愛らしい姿に完全に心を奪われました。
そして、子猫達はエレンさんの元を旅立って、生涯の家で暮らし始めました。子猫達はすぐに新しい環境に順応して、家の中を自分達の王国に変えました。子猫達はその日のうちに夫婦の身体の上で遊び始めて、幸せそうに昼寝を始めたそうです。
現在、子猫達は新しい家で『ルフィ』と『ベンジャミン』に名前を変えて、毎日の生活を全身で楽しんでいます。きっと子猫達はこれからもずっとたくさんの愛情に包まれながら、いつまでも幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:foster_kitten_tails/lovemeow