ある日、ティーガンさんが裏庭に迷い込んできた子猫の姿を見つけました。ティーガンさんはすぐに子猫が歩くたびにグラグラと身体が揺れることに気づきました。
一方の子猫はティーガンさんの姿を見つけると、一生懸命にティーガンさんのところに向かってきて、気を引くために頭を擦りつけてきました。子猫は食べ物と愛情に飢えていて、屋根のある安全な場所での生活を強く望んでいました。
子猫のことを心配したティーガンさんは、障がいのある猫を専門に受け入れている保護施設『セービング・グレース・レスキュー』を創設した、妹のアンバーさんに連絡をしました。
「子猫は開いていた家の門から裏庭に入ってきました。彼はまるで自分に一番必要な場所を知っているかのようでした」とアンバーさんが言いました。
『エンジン』と名付けられた子猫は、小脳形成不全を患っていて、運動能力やバランス能力に影響が出ていました。
保護施設のスタッフ達がエンジンがどこから来たのかを調べてみると、エンジンは元々飼い主と一緒に車の中で暮らしていましたが、飼い主が世話をすることができなくなったため置き去りにされてしまったことが分かりました。
アンバーさんはエンジンが新たな人生を始められるように、エンジンを迎え入れて世話を始めました。
エンジンはとてもフレンドリーで、誰とでもすぐに友達になりました。「エンジンは保護施設や動物病院を含め、会う人全てに愛情を注いでいます。また彼を家に連れて帰るとすぐに新しい環境に溶け込みました。」
新しい家で過ごし始めた最初の日、エンジンはまるで失われた時間を取り戻すかのように、家族全員の膝の上で丸くなって、幸せそうにくつろぎ始めました。
その日の夜、エンジンはお腹をいっぱいに満たして、快適で暖かいベッドの中で安心して眠りにつきました。
エンジンは身体がグラグラと揺れていますが、それ以外に問題はなく、健康的に過ごすことができています。エンジンは家の中でさっそく家族の後を追い始めて、家族が何をしているのかを観察するようになりました。
「エンジンは私達のことを追いかけて、迎えにきて欲しい時は声を出します。彼はいつも横になっている人のところに向かって行って、一緒にくつろぐことが大好きです。」
エンジンは転倒するたびに起き上がって、目的の場所に辿り着くまで決して諦めることはありません。またエンジンは遊ぶことが大好きで、いつも無限のエネルギーで遊び回っているのです。
エンジンは発見した全てのオモチャに興味を持って、愛らしい癖で周りの人達を笑顔にしています。エンジンは羽のオモチャがお気に入りで、トンネルの中を探検するのも大好きです。
エンジンは時々、庭で暮らしているニワトリ達と一緒に、柵で囲まれた裏庭で日光浴を楽しんでいます。エンジンはニワトリ達のパーソナルスペースをしっかりと把握していて、新鮮な空気と心地良いそよ風を楽しみながら、ニワトリ達と一緒の時間を過ごしているのです。
「最初の頃のエンジンはニワトリ達を観察することに興味がありましたが、今では庭で一緒に過ごすことに喜びを感じています。ニワトリ達も彼のことを全く怖がっていません」とアンバーさんが話してくれました。
エンジンはあの日、助けを求めるために一番最適な場所へと辿り着くことができました。そして現在、とってもフレンドリーなエンジンは、際限なく甘やかしてくれる生涯の家族の家に行く準備を整えたのです。
きっとエンジンの前には素敵な家族が現れて、いつまでも幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:savinggracerescue/lovemeow