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毎日庭にやって来て、犬の親友を窓の外で待ち続ける猫。1年前に亡くなった親友への変わらない想いに思わず胸が熱くなる

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1年以上前のこと、猫の『ベビー・グレー』の親友だった犬の『グレイシー』が亡くなりました。それから随分と時間が経ちましたが、今でもベビー・グレーは毎日同じ時間に、グレイシーが住んでいた家の庭に姿を現すそうです。

ベビー・グレーはいつも窓の外に現れて、家の中を見つめてきます。ベビー・グレーは毎日その場所に座って、親友が走り寄ってくるのをじっと待っているのです。

窓の外の猫出典:Shea Belew Brennaman

2年半前のこと、アラバマ州ディケーターで教師をしているシアさんは、庭にやって来た1匹の猫に気づきました。「私達はその猫が道路を2本横断したところにある、袋小路になっている辺りの家から来ているのではないかと思っています。私達は猫の本当の名前を知りませんが、いつも『ベビー・グレー』と呼んでいます」とシアさんが言いました。

ベビー・グレーが最初に庭を訪れた時、シアさんの家に住む犬の『グレイシー』に挨拶をされました。グレイシーは優しい犬で、番犬としての役割よりも、庭を訪れる訪問者と友達になることに興味がありました。

「アメリカン・エスキモー・ドッグのグレイシーは、ほとんどの時間を外で過ごしていました。彼女は自然を愛していて、庭で会う動物達のことが大好きでした。」

笑顔の犬出典:Shea Belew Brennaman

グレイシーはシマリスやウサギ、そしてタカとも友達になりました。そんなとても社交的なグレイシーは、庭を訪れたベビー・グレーにも自然と興味を持ったのです。

「グレイシーはすぐにベビー・グレーを庭に招き入れました。そしてふたりは親友になりました。」

待つ猫出典:Shea Belew Brennaman

時間が経つにつれて、ベビー・グレーは頻繁に庭を訪れるようになりました。そして庭にベビー・グレーが現れた時はすぐにグレイシーが迎えに行って、一緒の時間を過ごし始めました。ふたりはお互いのことが大好きで、毎日会えることを楽しみにしていました。

「グレイシーは自分のオヤツもベビー・グレーと共有し始めました。グレイシーはそれまで誰ともオヤツを共有したことが無かったため、どれだけベビー・グレーのことを大切に想っているかが伝わってきました。」

「ベビー・グレーが頻繁に姿を現すようになった頃から、ふたりは一緒に日光浴を楽しむようになりました。どうやらふたりにとって日光浴が一番幸せな時間だったようです。」

くつろぐ犬出典:Shea Belew Brennaman

「グレイシーはとても甘い性格を持っていました。みんなに優しい彼女にとって、周りにいる人や動物達は全てが友達で、私の子供達にも母親のように接してくれました。」

笑顔の犬出典:Shea Belew Brennaman

しかし、12歳の誕生日を迎えたグレイシーは急激に身体が衰え始めました。そして、動物病院で精密検査やレントゲン撮影をしてもらった結果、グレイシーが悪性リンパ腫にかかっていることが分かったのです。

「グレイシーは残りの日々をほとんど庭のポーチで過ごしました。私は彼女がそこで身体を休め、少しでも力を蓄えようとしているのだと思っていました。でも実際には、彼女はその場所で友達全員にお別れを告げていました。」

待つ犬出典:Shea Belew Brennaman

そして、別れを告げた友達の中にはベビー・グレーもいました。

遊ぶ猫出典:Shea Belew Brennaman

「ベビー・グレーはグレイシーが最期を迎える直前まで、何度も彼女に会いに来ました。そしてグレイシーに寄り添いながら丸くなっていました。ふたりは言葉が無くてもお互いに心が通じ合っていて、ふたりはただお互いに一緒にいたいと思っていました。」

その後、グレイシーは悪性リンパ腫と診断されてから1ヶ月も経たないうちに、この世を去りました。グレイシーの死は家族や友達、そしてベビー・グレーに大きな悲しみを与えました。

残されたベビー・グレーは、グレイシーがいなくなった後も家に通い続けました。シアさんはその姿を見るたびに、ベビー・グレーが悲しみに対処しようとしているのかもしれないと感じているそうです。

入ってきた猫出典:Shea Belew Brennaman

もしかするとベビー・グレーは、グレイシーがいなくなったことを信じたくないのかもしれません。

「グレイシーがいなくなってからも、ベビー・グレーは庭のポーチにやって来ます。彼女はいつも窓の外に座って、グレイシーの姿を探しています。私は彼女がいつもどのくらいの時間をそこで待っているかを正確には知りませんが、時には20分以上もその場でじっと待っていることがあります。そして彼女はその後、グレイシーと過ごしていた時のように、ポーチで横になって日光浴を始めます。」

目を閉じ犬出典:Shea Belew Brennaman

その姿をいつも見ていたシアさんは、いつしかベビー・グレーが庭に現れるのを待つようになっていました。シアさんはベビー・グレーの気持ちを考えて、心が苦しくなることがありますが、ベビー・グレーがいつも訪ねて来てくれることに感謝もしているのです。

「グレイシーが亡くなってから1年以上が経ちますが、ベビー・グレーは今でもグレイシーを探し続けています。その姿を見るのはとても辛く、私の心を壊します。でも同時に、彼らの間にはこれほどまでに強い絆が結ばれていたことを感じて、思わず胸が熱くなります」とシアさんが話してくれました。
出典:Shea Belew Brennaman/thedodo

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