ある暑い日のこと、裏庭で独りぼっちの迷子の子猫が発見されました。家の住人は子猫の母親や兄弟を探しましたが、結局見つけることはできませんでした。
子猫はまだ幼かったため、24時間体制の世話が必要でした。そのため住人は保護施設『フロント・ストリート・アニマル・シェルター』に連絡をして助けを求めました。
その後、すぐに施設のスタッフ達が行動を起こし、子猫を引き取って施設へと戻ってきました。すると施設でボランティアをしているヘイリー・ウォーさんが愛らしい子猫に夢中になって、自ら養育主になることを申し出ました。
『ラベンダー』と名付けられた子猫がヘイリーさんの家に着くと、新しい環境と嗅ぎ慣れない匂いに戸惑って、自分の身を守るために「シャー!」と強く威嚇してきました。
しかし、ラベンダーはここが安全な場所で、ヘイリーさんがとっても優しいことにすぐに気づきました。するとラベンダーは自らヘイリーさんのところに近づいていくようになり、たくさんの愛情を求めるようになったのです。
ラベンダーはまだ離乳食を食べられない年齢だったため、ヘイリーさんは毎日ラベンダーを仕事場へと連れていき、哺乳瓶でミルクを飲ませました。伸び盛りで食いしん坊なラベンダーは、毎回哺乳瓶を見るとすぐに全力で掴もうとしてきました。
その後もヘイリーさんの元ですくすくと成長を続けたラベンダーは、徐々に個性が現れ始めました。「ラベンダーはとても好奇心が旺盛な子猫です。彼女は自分の周りにあるもの全てに興味を持っていて、いつも私の気を引こうとしてきます」とヘイリーさんが言いました。
さらにラベンダーが足の使い方を理解すると、ベビーサークルの中を歩き回りながら、隅々まで探索するようになりました。またラベンダーは恐れ知らずのクライマーで、ヘイリーさんが近づくたびに全力で身体をよじ登ってきました。
その後、ベビーサークルから出たラベンダーは、ヘイリーさんの家で暮らしている犬や猫、そして全ての人間と友達になることを心に誓いました。ラベンダーは一番初めに犬の『スパッド』と仲良くなって、スパッドにピッタリと寄り添いながら眠り始めました。
ラベンダーは成長と共に毛づくろいが上手になっていき、シッポを器用に使いながらバランスがとれるようになっていきました。
またラベンダーはその大きな瞳でヘイリーさんをじっと見つめることが好きで、そのままウトウトし始めることがよくありました。どうやらラベンダーは大好きなヘイリーさんの全ての行動を見逃したくないようです。
さらにラベンダーは家の中で2匹のサバトラ猫と仲良くなると、いつも楽しそうに後を追いかけて、2匹のマネをするようになりました。
そしてラベンダーは気難しい性格の先住猫の『パイパー』とも絆を結びました。パイパーは完全にラベンダーのことを受け入れたようで、たとえもみくちゃにされても許してあげているそうです。
こうして裏庭で独りぼっちになっていた子猫は、たくさんの家族がいる家で素敵な花を咲かせることができました。ラベンダーは今の生活に心から満足していて、優しい家族と一緒に幸せいっぱいの毎日を送っているのです。
出典:fosterpetsofsac/lovemeow