子猫の『ミラ』と『ニナ』は生まれてすぐに厳しい状況に直面しました。生後わずか3日だった子猫達は、救急動物病院のロビーに置き去りにされていたところを発見されました。
子猫達のそばにはメモなどはなく、母親の姿を見つけることもできませんでした。子猫達はとても衰弱していて、24時間体制の治療が必要でした。
動物病院のスタッフ達はすぐに地元の保護施設『ベビー・キトゥン・レスキュー』に連絡をして、子猫達の養育ができるかを尋ねました。
「その日、私達の元に動物病院から電話があり、子猫達を育てることができるかを尋ねられました。私達は躊躇することなく子猫達を受け入れることを申し出ました」と保護施設の創設者のキャロライン・グレイスさんが言いました。
キャロラインさんはすぐに子猫達が非常に危険な状態に陥っていることに気づきました。子猫達は猫汎白血球減少症(猫ジステンパー)の検査で陽性反応が出ました。この病気は幼い子猫達にとって非常に危険な病気でした。
「この病気を患った子猫の生存率は10〜20%ほどで、生まれたばかりの子猫の場合は生存率がさらに低くなります。でも私達は子猫達のために戦い続けました。私達は獣医さんの指示の下、最適な治療計画を立てて、最善を尽くしました。」
そんなキャロラインさん達の献身的な看護のおかげで、非常に生存率の低い病気だったにもかかわらず、子猫達は何とか危険な状態を脱することができたのです。
子猫達はとても小さな身体をしていましたが、信じられないほどの強い意志を持っていました。子猫達はいつも寄り添いながら、お互いのことを励まし合っていました。
何週間にもおよぶ看護(2時間毎のチューブによる栄養補給、水分補給、処方薬、酸素療法)の末、非常に危機的な状況だった子猫達に改善の兆しが見え始めました。
そして子猫達の食欲は何倍にも増加して、エネルギーが全身に満ち溢れていったのです。
保護された時は体重が僅か80gしかなかった子猫達ですが、現在は順調に体重を増やしていて、いつもたくさんのご飯でお腹を膨らませているそうです。
子猫達は不足していた体重を取り戻し、確実に大きくなっていきました。最初はとても小さかった子猫達ですが、今は力強い姿を見せてくれるようになったのです。
ニナはとても食いしん坊になり、勇敢な性格が表に出てきました。ニナはいつもミラのことを応援していて、眠たくなるとミラと一緒に眠りにつきます。
「ニナは私に何か伝えたいことがある時は、私の目をじっと見つめてきます。またご飯でお腹をいっぱいに満たすと、大きな音でゴロゴロと喉を鳴らし始めます。」
そして子猫達は強い意志とみんなの力で完全に回復することができました。それはまさに奇跡的なことでした。
「ニナは何にでも興味を持ち、何者も恐れません。彼女は身の回りの探索をして、飛び跳ねて、楽しそうにオモチャで遊んでいます。一方のミラは撫でられることが大好きで、チャンスのたびに膝の上で横になります。また彼女は私の耳元で幸せそうに喉を鳴らしていることがよくあります。」
「ふたりは切っても切れない関係で、全てのことを一緒に行います。私達は最初からふたりがずっと一緒にいる必要があることを知っていました。」
長く困難な道のりの後、子猫達は健康でイタズラ好きのヤンチャな子猫へと成長することができたのです。
子猫達は数日前に養育期間を終了し、生涯の家族の元へと旅立っていきました。
「ふたりは生まれてすぐに大変な経験をしましたが、お互いにとても甘く、幸せで、おおらかな性格の持ち主です。私は奇跡の子猫達のことをとても誇りに思っていて、ふたりが居心地の良い環境で幸せな生活を送り始めたことに心から喜びを感じています」とキャロラインさんが嬉しそうに話してくれました。
こうして生後3日で保護された子猫達は、優しい人達のおかげで生死の境から蘇り、新しい人生を歩み始めることができました。これからも子猫達はお互いに愛情を注ぎ合いながら、いつまでも幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:babykittenrescue/lovemeow