ある日、多くの助けを必要としている猫の『マティー』が、保護施設『ヨーク・カウンティー・SPCA』に運ばれてきました。マティーは全身の毛がひどくもつれていて、とても大きな塊になっていたため、犬用のケージに入れて運ぶ必要がありました。
「マティーの毛は私がこれまでに見た中で最もひどい状態でした。マティーは全身の毛が塊になっていて、とても大きく重くなっていたため、実際の彼の身体がどこにあるのかを確認することが難しい状態でした」と保護施設で獣医をしているウィークスさんが言いました。
マティーはほとんど動くことができなくなっていて、怖くて不安そうにしていました。獣医チームは毛の塊からマティーを解放するために、すぐに動き始めました。
出典:YorkCoSPCA
保護施設のスタッフ達は約1.1kgの重さのある毛の塊を取り除きました。そしてマティーの術後のケアを行いながら、温かい愛情を注ぎ続けました。
スタッフ達はマティーが必要としている環境を用意して、マティーが寂しそうにしている時はたくさんの愛情を注ぎ、安心感を与えながら社会化させていきました。
そんなスタッフ達の献身的なケアのおかげで、これまでずっと背中に大きな負担がかかっていたマティーは、快適な環境に徐々に順応していき、人間のことを信頼していきました。
マティーの美しい毛は時間の経過と共に戻ってきて、見事なライオンのたてがみを手に入れました。それと同時にマティーの個性が現れてきて、たくさんの愛情とナデナデを求めるようになりました。マティーの推定年齢は約10歳で、糖尿病を含むいくつかの健康上の問題を抱えていました。
「私達の施設で数ヶ月間過ごしたマティーは、非常に苦しんでいた野良猫からハンサムで愛情深い猫へと変身しました。」
その後、別の保護施設の副代表で獣医のチャンドラー・スカルさんが、ソーシャルメディア上でマティーと出会いました。
「私は今までマティーほどの毛の塊で苦しんでいた猫を見たことがありませんでした。私は彼の写真を見た瞬間に彼のことが気になり、彼について書かれた文章を一気に読みました。私は彼のこれまでのことを知るとさらに彼に興味を持ち、一緒に暮らしたいと強く思うようになりました」とチャンドラーさんが言いました。
出典:YorkCoSPCA
実はチャンドラーさんはマティーに出会う数ヶ月前に、愛猫の『チューリップ』を亡くし、心が空白になっていました。「私達の家にはずっと穴が空いていました。でもマティーの姿を見た瞬間、その穴を埋めるために必要なものが分かりました。」
チャンドラーさんはマティーのいる保護施設に連絡を取って、マティーについて尋ねました。そしてそれから約1週間後、ボーイフレンドのダンさんと一緒に、マティーを家族に迎えるために車で長い距離を移動しました。
最初の数日間はマティーの健康上の問題により、新しい生活への移行があまり上手くいきませんでした。しかし、チャンドラーさんは猫の糖尿病の管理の経験が豊富だったため、必要なケアや水分補給、シリンジでの栄養補給などで、マティーの状態を徐々に安定させていきました。
「幸いなことにずっと一緒に暮らしてきたチューリップのおかげで、私は糖尿病の管理の経験をたくさん積んでいて、私の家にはケアに必要な設備や物が全て揃っていました。これによってマティーのストレスを軽減することができ、マティーは徐々に良い方向へと向かっていきました。」
マティーは現在、チャンドラーさんのことを心から信頼していて、必要な時はたくさんの愛情を求めてきます。「マティーは甘えん坊な部分とクールな部分の両方を持っていて、それが彼の愛らしい個性となっています。私達は彼がいつまでも幸せに暮らせるように、これからも出来る限りのことをしていこうと思っています」とチャンドラーさんが話してくれました。
出典:YorkCoSPCA
こうして毛の塊に覆われた状態で保護されたマティーは、生涯の家で新しい人生を歩み始めることができました。今のマティーはチャンドラーさんに見守られながら王様のように過ごしていて、幸せいっぱいの充実した毎日を送っているのです(*´ω`*)
出典:YorkCoSPCA/lovemeow