ある日、子猫の『アリエル』が野良猫のコロニーで発見されました。アリエルは母親に置き去りにされていたため、地元の保護団体『メオーズレスキュー』のスタッフが保護し、自分達の施設へと連れて帰りました。そして、そこで養育主さんが来てくれるのを待っていたのです。
養育ボランティアのケリー・グレースさんがアリエルの話を聞いた時、自宅には救出されたばかりの母猫と6匹の子猫がいましたが、ケリーさんは独りぼっちのアリエルを放っておくことができませんでした。
ケリーさんと10歳の弟のザック君は、すぐに獣医さんのところにアリエルを引き取りに行きました。そして二人が病院に入ると、アリエルはその小さな身体からは想像もできないほどの大きな声で鳴き叫んでいたのです。
「アリエルはまるで狂ったように鳴いていて、常に落ち着かない様子でした」とケリーさんは言いました。
誰も落ち着かせることのできなかったアリエルでしたが、ザック君が抱えながらキスをして、優しく撫でてあげると、すぐに落ち着きを取り戻していきました。そして、アリエルはそのままザック君の腕の中で眠りについたのです。
「ザックは毛布を膝の上に置き、アリエルを優しく包み込みました。アリエルは完全に熟睡していたようで、家に着くまでの30分間、1度も起きることはありませんでした。」
二人は連れ帰ったアリエルを、救助されたばかりの母猫『トワイライト』に紹介しました。トワイライトはすぐに自分のベッドにアリエルを連れ行き、我が子のように毛づくろいを始めたそうです。しかし、アリエルは落ち着かない様子で、トワイライトのミルクを受け入れようとしませんでした。
「アリエルは保護の直後から哺乳瓶でミルクを飲んでいたため、再び猫のお母さんからミルクを飲むことを学ばなければなりませんでした。」
そのためアリエルが遠くへ行こうとするたびに、ザック君はアリエルをトワイライトのところに戻し続けたそうです。
そしてついにアリエルは、トワイライトのミルクを飲み始めました。それはまだ幼いアリエルが病気への免疫力をつけるために、とても大切なことでした。
「アリエルは今、本当に幸せそうで、いつも大きな音で喉を鳴らしています。」
アリエルはトワイライトのミルクのおかげで、すくすくと成長していきました。最初は栄養失調に陥っていたアリエルでしたが、現在はトワイライトの子供達とほとんど変わらない体重になったそうです。
そんなアリエルにたっぷりと愛情を注ぐザック君は、今までに出会った全ての保護猫達と素晴らしい関係を築いてきました。
「ザックが目を覚ますと、学校に行く前に保護猫達に朝の挨拶をします。そして夜、ベッドに入る前にキスをするのが日課です。彼は全ての猫達に気を配っていて、いつも優しく接しています。」
ザック君はこの2年間で100匹以上の子猫の世話を手伝ってきたそうです。
「私が預かる子猫はみんな、とても幼くて、まだ弱々しい子猫ばかりです。そんな子猫達をザックはいつも優しく世話をしています。私はいつも彼の愛情の深さに驚かされます。」
「私は子猫達が新しい家を見つけるまでの間、子猫達を見守り、育てるのが大好きです。私はいつも子猫達の幸せそうな姿に、心から喜びを感じています」とケリーさんは話してくれました。
一方の子猫達も優しい二人に感謝していて、いつも愛らしい姿を見せてくれるそうです。こちらは授乳中に耳をピクピクさせる子猫の姿です。
きっとケリーさんやザック君に大切に育てられた子猫達は、二人と同じくらい愛情深い猫へと成長していくことでしょう(*´ω`*)
出典:kittyfoster_/lovemeow