今から2週間半前、ある家の裏庭で子猫の『マカロニ』が見つかりました。マカロニはとても臆病な性格で、保護施設『ザ・キャト・ハウス・オン・ザ・キングス』に行ってからも、物陰でひとりで過ごしていたそうです。
「マカロニを抱きかかえようとすると、すぐに鳴き始めます。彼は決して喉を鳴らさず、ケージの中でひとりでいることを好みます。私はその姿を見て、とても悲しい気持ちになりました」と養育主のレイシーさんは言いました。
レイシーさんと家族は交代でマカロニの世話をしながら、心地良さを感じてもらうために様々なことを試みました。しかし、家族がたくさんの愛情を注いでも、マカロニは決して心を開こうとしなかったのです。家族はそんなマカロニの姿を見て、何かが足りていないことを感じ取りました。
レイシーさんは施設に連絡を取り、養育が必要な別の子猫がいるかを尋ねました。
「私は施設に電話をして、マカロニには兄弟が必要だと伝えました。そして偶然にもその直後に、ゴミ収集作業員が1匹の保護子猫を施設へと連れて来ました。」
保護された子猫はちょうどマカロニと同じくらいの年齢でした。スタッフ達は「きっとこの子ならマカロニと完璧な兄弟になるだろう」と思ったそうです。
翌朝、レイシーさんはマカロニを連れて子猫を迎えに行きました。ふたりが出会うと、お互いに少し威嚇をしてから、鼻にキスをしました。そしてすぐに仲良くなり、帰りの車内ではずっと抱きしめ合っていたそうです。
「ふたりがお互いを必要としていることは明らかでした。私は引き取った子猫に『チーズ』と名づけました。」
翌日になると、マカロニの行動は大きく変化していました。幸せそうに喉をゴロゴロと鳴らし始め、家族が抱きかかえても怖がらなくなったのです。
マカロニは1日のほとんどの時間を新しい兄弟と共に過ごしました。どうやらマカロニは、再び独りぼっちになるのが嫌だったようです。
「ふたりの絆は日に日に深まっていきました。マカロニはまだ内気なところがありますが、チーズのおかげで部屋中を走り回るようになり、楽しそうに追いかけっこをしたり、オモチャで遊ぶようになりました。」
「でもふたりが一番好きなのは、お互いに抱きしめ合うことです。」
こうしてマカロニとチーズは、お互いに不確かな運命から救い出されました。ふたりはお互いのことを常に必要としていて、まるで兄弟のような絆で結ばれているのです。
保護から2週間半が経った現在、ふたりは相変わらず一緒に行動し、片時もそばから離れることはないそうです。
「チーズとの出会いでマカロニの性格は180度変わりました。彼は今、ノンストップで喉を鳴らし続けています。ふたりは本当に幸せそうで、その姿を見ているだけで自然と胸が熱くなります」とレイシーさんは嬉しそうに話してくれました。