保護犬の『ズーカ』は妊娠中の時に路上で保護され、保護施設へと連れて行かれました。ズーカはすぐに養育主さんの家に預けられ、そこで出産と子育てをしたそうです。
その後、離乳した子犬達は新しい家へと旅立っていきましたが、ズーカは年齢を重ねていたため、なかなか里親さんが現れませんでした。しかし、それから5ヶ月後、ロンダという女性が里親募集サイトでズーカの写真を見て、保護施設へとやって来ました。
「私は初めてズーカに会いに行った時のことをよく覚えています。他の犬達はケージの中で興奮していましたが、彼女だけは静かに座っていました。私が近づいていくと、彼女は小さくシッポを振りました。私はそんな彼女の姿を見て、思わず泣いてしまいました」とロンダさんは言いました。
ズーカが新しい生活に慣れるまでには随分時間がかかりましたが、先住猫のスタウトとはすぐに仲良くなりました。スタウトもズーカのことがすぐに好きになり、2匹は深い絆で結ばれた大親友になったのです。
「ズーカとスタウトはいつも抱きしめ合いながら、幸せな時間を過ごしていました。しかし、スタウトが亡くなると、ズーカは深い悲しみに暮れました。私達はその姿を見ているのが辛くて、再び猫を家に迎えることに決めました。」
そして2015年のこと、ロンダさんは母親の愛情が必要な『モンキー』という名前の子猫を預かってきました。幼いモンキーの姿を見たズーカは、すぐにモンキーを自分の子供のように育て始めたそうです。
「私達は最初、体重が450gの子猫と22kgのズーカが一緒になって大丈夫かと心配しました。でも彼女はモンキーにとても優しく接し、常にモンキーのことを大切に見守っていました。」
「ズーカはどんなにイタズラをされても決して怒ったりせず、いつもモンキーを優しく毛づくろいをしてあげていました。」
ズーカは保護子猫が家に来るたびに興奮して、母性本能がさらに強くなっていきました。ズーカは子猫達とコミュニケーションをとる方法を知っていて、いつも子猫達の要求を分かっているそうです。
「私がズーカの行動で一番興味深く思っているのは、それぞれの子猫が何を必要としているかを正確に分かっていることです。彼女は子猫達の気持ちを完全に理解しているようです。」
「ズーカはとても社交的な子猫にはキスをしたり一緒に眠ったりしますが、まだ野生的な子猫には無理に接触しようとはせずに、時間をかけて相手の心を開いていきます。」
そんな子育て上手なズーカは、この3年間で100匹ほどの子猫を育ててきました。
「お母さんと離ればなれになった子猫達にとって、ズーカの愛情はとても大切なものです。ズーカの惜しみない優しさが、孤児の子猫達を愛情深い猫へと成長させていきます。」
ズーカは現在12歳になりましたが、今も困っている子猫達を大切に育て続けているそうです。
「ズーカと一緒に育った子猫達は、犬との暮らしに溶け込むことができます。そのため犬と暮らしている人達にも、安心して子猫達を紹介することができます」とロンダさんは話してくれました。
こちらは一緒の時間を過ごすズーカと子猫達の様子です。(動画)
こうして猫の親友とお別れしたズーカは、愛情が必要な子猫達のお母さんになりました。それはズーカにとっても子猫達にとっても、最高に幸せなことなのです。きっと天国にいるスタウトも、幸せそうなズーカと子猫達の姿を見ながら、嬉しそうに微笑んでいることでしょう(*´ェ`*)