保護団体『スリフテッド・キトゥンズ・アニマル・レスキュー』でボランティアをしているヘンリーさんはこれまで、猫のコロニーで暮らしている27匹の猫の世話に多くの時間を費やしてきました。
ヘンリーさんはコロニーのオス猫を1匹ずつ救出していって、最後に残ったのが『バントケーキ』という名前の賢い猫でした。「バントケーキは私達が近くに座ることを許してくれましたが、絶対に捕獲器には入りませんでした」とヘンリーさんが言いました。
バントケーキは他の猫との縄張り争いを幾度となく経験し、体にはいくつもの傷跡が残っていました。またバントケーキは常に周囲を警戒しながら、厳しい冬を何度も乗り越えてきました。そんなバントケーキはある日、ヘンリーさんがいつも食べ物を持って来てくれることに気づきました。
その後、時間が経つに連れて、バントケーキはヘンリーさんの様子を観察するようになりました。
そして、ヘンリーさんの数えきれないほどの試みとほぼ1年間の努力の末、ついにバントケーキを路上から救い出すことに成功したのです。
バントケーキはおそらく人生で初めて静かな屋内生活を経験しました。バントケーキは慣れない環境に緊張していましたが、人間を威嚇したりすることはありませんでした。
出典:thriftedkittensrescue
ヘンリーさんはバントケーキが室内生活に慣れるまでにはしばらく時間がかかるだろうと思っていましたが、その予想は大きく外れました。
家に着いた後、しばらく落ち着くための時間を過ごしたバントケーキは、勇気を出してキャリーから出て周囲を探索し始めました。そして、ヘンリーさんの方を向いたかと思うと、しゃがれた声で話しかけてきたのです。バントケーキの戦いの傷跡と大きなほっぺの奥には、愛情を強く望む穏やかな心が隠されていました。
「私がバントケーキと座ってから30分も経たないうちに、彼は布団をこね始めて、私に話しかけてきました。」
バントケーキはご飯をいくら食べても飽きることなく、まるで最後の食事に臨んでいるかのように、毎回ご飯を勢いよく平らげました。そして、お腹を満たすと毛布を夢中でこねたり、柔らかい生地に頬をこすりつけたりしながら、その心地良さを全身で堪能していました。
出典:thriftedkittensrescue
「バントケーキは私が出かけるたびに、どこに行ったのかを気にするようになりました。」
ヘンリーさんはある日、バントケーキが鳴いている動画を本人に見せてみました。するとバントケーキは自分のしゃがれ声に気づいたのか、即座に反応して次々と意見を述べ始めました。「バントケーキは今までの保護猫の中で最も手のかからない猫で、私達はとても感謝しています。」
室内生活を受け入れたバントケーキはもう生きるために戦ったり、食べ物を探し回ったりする必要がないことに気づきました。安定した食事と尽きることのない愛情に満ちた生活は、バントケーキがずっと望んでいたものだったのです。
「バントケーキは常にパーティーの主役で、いつも何かを話しています。彼はキャットニップが好きで、一日中ただのんびりしているだけで満足しています。」
出典:thriftedkittensrescue
ヘンリーさんはバントケーキが柔らかい毛布が大好きなだけでなく、他の猫達と一緒に過ごすことも大好きだということに気づきました。バントケーキはたとえ「シャー!」と威嚇してくる猫に対しても温かく接して、毛布やオモチャを共有しました。
「どうやらバントケーキは全ての保護猫達と友達になろうとしているようです」とヘンリーさんが話してくれました。
出典:thriftedkittensrescue
かつて野良猫だったバントケーキは、優しいヘンリーさんのおかげで幸せな毎日を送れるようになりました。
バントケーキはもう空腹のお腹で街中を彷徨い歩いたり、明日がどうなるかを心配したりすることなく、暖かくて快適な日々を過ごすことができています。バントケーキは常に幸せいっぱいで、家の中を大きなゴロゴロ音と愛らしいしゃがれ声で満たしているのです。
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