厳しい寒さの中、1匹の猫が最後の力を振り絞って、凍った私道に這い上がってきました。猫は空腹と感染症で衰弱していて、雪の中で倒れたまま凍りつき始めました。
その後、野良猫のコロニーにいた保護団体『ペット・フレンズ』のカーリー・トスさんの携帯に電話が入りました。
「私の親友が天気が荒れる前に、新しく発見された猫達を屋内に運び込もうとしていました。私はそんな猫達の中で、少し人間に友好的な3匹の猫を自宅で預かることに決めました」とカーリーさんが言いました。
「ちょうど私がコロニーから離れようしている時に電話がかかってきて、『雪の中に凍った猫が倒れていて、どこか連れて行ける場所はないか?』と尋ねてきました。」
「このようなことは、私が救助活動を行なってきた10年間で初めてのことでした。」
猫の窮状を知ったカーリーさんは、猫の命が消えないで欲しいと強く願いましたが、猫は非常に冷たい身体で硬直していて、蘇生できるか分かりませんでした。
動物病院に運び込まれた猫は、毛布に包まれたまま獣医さんの元に連れて行かれました。そして猫から微かな心拍が検知されると、全員で凍った猫を解凍して、意識を取り戻させました。
「猫は驚くほど冷たくなっていました。そのため体温計で体温が測れるようになるまでには3時間もかかりました。」
加熱パッドの上で温かいタオルに包まれた猫は、ゆっくりと目を覚まして、獣医さん達に闘志を見せました。
「猫は非常に強い回復力を持っていて、目覚めるとすぐにタオルをこね始めました。彼女は自分を助けてくれたことへの感謝の気持ちを伝えるかのように、幸せそうに私達のことを見つめてきました」と動物病院の看護師のリジーさんが言いました。
猫は避妊手術もワクチン接種も受けていませんでしたが、マイクロチップは埋め込まれていました。スタッフはすぐにマイクロチップに登録された番号に電話をかけましたが、元の飼い主は看護を引き継ごうとはせず、猫を私達に引き渡すことを選びました。」
猫は保護されるまでの間、以前の家の近くで1ヶ月以上暮らしていました。猫はその時に後ろ足に怪我を負ってしまい、治療と回復に多くの時間が必要でした。
4時間の治療の後、猫はカーリーさんの家に向かって、その日の夜を無事に乗り越えることができました。そして翌日を迎えると、カーリーさんは猫に『バースデー』と名付けて、新しい人生の最初の日を祝いました。
バースデーはお腹を空かせていて、足の感染症と闘っていたにもかかわらず、ゴロゴロと喉を鳴らして自分に向けられた全ての愛情に感謝していました。
「バースデーはとってもフレンドリーで、優しい性格の持ち主です」とカーリーさんが言いました。
出典:petfriendsirwin
そんなバースデーに魅了されたのはカーリーさんだけではありませんでした。包帯の交換のためにほぼ毎日動物病院を訪れたバースデーは、そこでお気に入りのスタッフのリジーさんと一緒の時間を過ごしました。するとリジーさんはバースデーと一緒に暮らしたいと思うようになって、バースデーを家族の一員として迎えることに決めたのです。
「私は意識的にバースデーを選んだわけではありませんでした。私は自然と『彼女を手放すことができない』と思うようになりました。」
出典:petfriendsirwin
残念ながらバースデーの片足を救うことはできず、切断しなければならなくなりました。しかし、それがバースデーの新しい人生の妨げになることはありません。バースデーは手術から回復して健康的な体重を取り戻したら、リジーさんの家に旅立つことが決まっているのです。
「バースデーには何か特別なものがありますが、それを上手く言い表すことができません。彼女が目を覚ました時、私は最初にそこにいた看護師の一人でした。そして先日、私は彼女を抱きしめながら思いました。『どこにも行かせたくない』と。そうです、私はただ彼女のことが大好きなのです」とリジーさんが話してくれました。