ある日、路上から保護された猫達の中に『ピップ』と名付けられた子猫がいました。ピップは全ての猫達の中で一番小さな身体をしていましたが、驚くほどの強い意志を持っていました。ピップは生後2ヶ月でしたが、通常の半分の体重もありませんでした。
保護施設『コミュニティー・キャット・クラブ』の創設者のサラ・シャープさんはピップを引き取って、成長するチャンスを与えました。
「ピップは生後約1ヶ月の頃からあまりご飯が食べられなくなり、上気道感染症が長引いていたため、さらに治療を続ける必要がありました。そのため彼女は私のところにやって来ました」とサラさんが言いました。
サラさんがピップを育て始めると、その小さな身体に大きな個性が詰め込まれていることにすぐに気づきました。ピップは大きな声の持ち主で、ご飯の時間になると躊躇することなく話しかけてきました。
ピップはサラさんにいつも決まった時間にご飯を持ってくるように要求してきました。ピップは数秒の遅れも許さず、少しでもご飯が遅れると大きな声で叫び始めました。
「私はその日、いつもとは違うウェットフードをピップに与えなければならず、食事の時間を少しだけ過ぎてしまいました。すると彼女はすぐに大きな声で苦情を言い始めました。」
サラさんの元で暮らし始めてから1ヶ月後、ピップはまだかなり小さな身体をしていましたが、ついに1ポンド(約453g)を超えることができました。それはピックにとって非常に大きな偉業でした。
サラさんは獣医さんと協力して、 ピップの成長が遅い原因を突き止めようしていました。ピップは恐れ知らずの勇敢な子猫で、獣医さんの診察を受けるたびに小さな足で歩き回って、自分の姿がより大きく見えるように2本足で立ち上がりました。「その姿はとっても愛らしく、周りにいた全ての人達の心を完全にとりこにしました。」
出典:hoiteytoitey
その後、生後約3ヶ月半を迎えたピップは、もう少しで体重が2ポンド(約907g)を超えるところまで来ました。ピップの成長は非常に遅れていましたが、毎日確実に体重を増やしていっていました。
ピップがより活発になって遊び回るようになると、サラさんはピップと同じくらいの大きさの子猫の『ジョニ』を紹介しました。するとふたりはすぐに意気投合して、一緒に遊び回るようになりました。
さらにピップは別の子猫『オナー』と『ハニー』とも仲良くなって、ふたりを優しく迎え入れました。
その後、ピップは猫としては比較的珍しい病気の『先天性甲状腺機能低下症』と正式に診断されました。ピップは適切な薬をしっかりと服用していれば、長く充実した人生を送ることができるそうです。
「ピップの一番好きなことは、人間に抱きしめられながら顔や髪で遊ぶことです。彼女はいつも元気いっぱいで、友達の子猫達や愛犬と遊ぶためにエネルギーを爆発させています。」
ピップはその後もサラさんの元で成長を続け、生後5ヶ月で3.3ポンド(約1.5kg)になりました。「ピップが私のところに来た時は、病弱で非常に小さな子猫でした。彼女は今も少しずつ成長を続けていて、いつも愛らしい姿を見せてくれています」とサラさんが話してくれました。
こうしてサラさんの元で新たな人生をスタートさせたピップは、安全な環境の中で幸せな毎日を送ることができるようになりました。これからもピップはサラさんの温かい愛情を全身で感じながら、自分のペースでゆっくりと成長していくことでしょう。
出典:hoiteytoitey/lovemeow