ロシアのセルプホフにあるセルプホフ美術館に、2014年から住み始めた野良猫がいました。この猫は美術館の門の前に立ち、来館するお客さんに挨拶をしていたのです。
美術館のスタッフは、毎日、お客さんに挨拶し続ける野良猫に驚いていました。その姿に愛着が湧いたスタッフは、猫に『マレイ』と名づけて可愛がるようになったのです。
そして、2016年4月1日。
美術館の非公認の看板猫だったマレイは、妙なことから公認の看板猫になったのです。
それは4月1日のエイプリルフールの日のことでした。美術館のスタッフが何か面白いことがしたいと思い、美術館のオーナーのアンナさん宛にマレイの採用申請書を書いたのです。もちろんウソの申請書です。
その書類にはスタッフによる代筆で、このように書かれていました。
「アンナ様へ。私はあなたの美術館で働くことになりましたので、何か仕事をもらえないでしょうか。猫のマレイより」
そしてスタッフは、この書類を地元メディアに送ったのです。地元メディアはこれがエイプリルフールのウソだと思わなかったそうで、テレビや新聞、サイトなどでこのニュースを取り上げました。
するとニュースを見た地元の人から「猫の採用は本当のことなの!?」という問い合わせがたくさん来てしまったのです。あまりの反響の大きさに「実は冗談でした!」とは言えなくなってしまった美術館は、マレイを正式に採用することにしたのです。
こうして美術館の公式のドアボーイになったマレイ。自分のデスクの上に座るマレイはちょっと誇らしげですね♪
マレイはスタッフからもお客さんからも愛されていて、正式に採用される前からからすでに、美術館の看板猫になっていたそうです。
こちらはお客さんといっしょに写真に写るマレイの姿。
そんな看板猫マレイのお仕事の報酬は、たっぷりの「ごはん」と「おやつ」と「愛」だそうです。さらに、マレイが寝るための小さなテントも用意されました。
ずっとお客さんを迎え続けたマレイは、こうして美術館で働くことになりました。スタッフの中には「もしかしてマレイが正式に採用されたのは、賢いマレイの計画だったのではないか!?」と冗談で言っている人もいるそうです。
今日も博物館の入口や館内でお客さんをお迎えしているマレイ。すぐに美術館で一番活躍するスタッフにことになるでしょう。そして、報酬の「ごはん」と「おやつ」をたっぷりもらって、ますますポッチャリしてしまうかもしれませんね♪