数ヶ月前、保護施設『フォスター・キトゥン・ママ』の創設者のハイジ・ジューメーカーさんが、路上から救出されたキジトラ猫を迎え入れました。
『ペネロペ』と名付けられた猫は、2回目の妊娠中で随分とお腹が大きくなっていました。安全な室内生活を始めたペネロペは、柔らかいベッドと食べ放題のご飯がある空間に大きな喜びを感じました。
そして自然とペネロペの遊び心が輝き始めました。ペネロペの心の中の子猫の部分が表に出てきて、ハイジさんが寝床に置いてくれたオモチャに夢中になりました。
ペネロペはハイジさんが部屋に入ってくると膝の上に乗って、まるで迎え入れてくれたことへの感謝の気持ちを伝えるかのように、満足そうに喉をゴロゴロと鳴らしました。
そして保護から2週間後、ハイジさんが帰宅すると、ペネロペが出産の真っ最中だと分かりました。ハイジさんは用意していたお産箱にペネロペを優しく移動させました。
その後、夜が明ける前に全ての子猫を出産したペネロペは、幸せそうに子猫達にミルクを飲ませ始めました。そして長い一日を過ごしたペネロペは、ベッドの中でくつろいで、美味しいご飯でお腹を満たしました。
「ペネロペはとっても頑張りました。私は彼女の出産に立ち会うことができたことに大きな喜びを感じています」とハイジさんが言いました。
子猫達は日に日に大きくなっていて、丸くて健康的なお腹をいつも披露してくれています。ハイジさんは以前ペネロペが野外で産んだ子猫のうち、生き残ったのは2匹だけだったと聞かされました。「今回は以前の出産とは違います。ペネロペは安全な環境の中で、子猫達を大切に育てています。」
『プレスコット』、『ポリー』、『パクストン』、『プライス』、『パイパー』と名付けられた子猫達は、すくすくと成長を続けています。そして子猫達の足が十分に強くなると、広いベビーサークルへと移動しました。子猫達はそこでたくさんのオモチャや爪研ぎなどに囲まれて、好奇心と冒険心が完全に開花しました。
「ペネロペは本当に素晴らしいお母さんです。彼女はいつも子猫達と一緒にいて、毛づくろいで子猫達を清潔に保ち、ミルクでお腹をいっぱいに満たしています。」
すっかりエネルギーの塊になった子猫達は、レスリングをしたり、オモチャを追いかけたり、部屋中を駆け回ったりしています。また子猫達のうちのひとりがキャットタワーに登ると、他の子猫達もすぐに後を追いかけます。子猫達はいつも楽しい遊びやイタズラを探しているのです。
「子猫達はハンモック付きのキャットツリーがお気に入りです。そこに羽のついたオモチャを加えたら、さらに大喜びしました。」
子猫達が里子に出る準備ができた時、ハイジさんは誰も孤独にならないようにペアで里子に出そうと考えました。特に母猫が見過ごされがちになることを知っていたため、ハイジさんは子猫達のうちのひとりとペアにさせることを決めていました。
そしてペネロペとペアになったのが、黒猫の子猫のパイパーでした。パイパーは小柄でしたが元気いっぱいで、とっても甘えん坊な子猫でした。
ペネロペが保護されてから3ヶ月後、ついにペネロペの夢が実現しました。ペネロペを迎えた人は長年保護活動を支援してきた女性で、最近愛猫を亡くしたばかりでしたが、新しい家族を迎えるための心の準備ができていました。そんな女性がペネロペに会った瞬間、運命の出会いだと感じたそうです。
さらに残りの子猫達もすぐに幸せな結末を迎えました。パクストンとプレスコットは猫が大好きなゴールデンレトリバーが住んでいる家に引き取られ、プレイスとポリーは2人の子供がいる家に迎え入れられました。
「私は親子の新しい旅立ちに喜びを感じています。きっと彼らは新しい家族の元にも、たくさんの幸せと笑顔を運び続けることでしょう」とハイジさんが嬉しそうに話してくれました。
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