ある日、人間の助けを必要としている幼い子猫が、地元の保護施設に運ばれてきました。子猫は身体がグラグラしていて、立ち上がった状態で留まることが困難でした。子猫はしばらく保護施設で過ごしていましたが、スタッフ達は子猫の体重が増えていないことに気づきました。
スタッフ達は子猫の状況を改善するために、動物病院『ノヴァ・キャット・クリニック』に連絡をしました。
「私達が子猫を隅々まで調べると、彼が全身感染症(感染症の病原体が全身に広がっている状態)だと分かり、抗生物質を処方しました」と獣医のエレンさんが言いました。
動物病院でしばらく治療を続けることになった子猫は、病院のスタッフ達によって『クォーク』と名づけられました。
出典:thecatlvt
「クォークは小脳形成不全(小脳が適切に発達していない病気)の典型的な特徴を示していました。彼は生まれた時から身体がグラグラしていますが、特別な治療の必要はありません。」
その後、クォークが感染症を乗り越えると、毎日を元気いっぱいに過ごし始めました。クォークは身体に障がいを抱えていますが、身の回りの世界を楽しむ方法を知っていました。
「私達は小脳形成不全の猫が安全に過ごせるように環境を整えています。そのためクォークが転んでも怪我をすることはありません。」
クォークは最初からハグ好きの子猫で、柔らかい毛布などに包まれるととても安心しました。そんなクォークの絶え間ない要求を満たすために、スタッフ達はクォークをポケットに入れて一緒に移動することもありました。
クォークはとても社交的な性格の持ち主で、この病院で暮らしている『エッグバート』に出会うとすぐに仲良くなりました。クォークは早速エッグバートに寄り添って、フワフワのお腹に鼻を押しつけました。
エッグバートはクォークと同じように小脳形成不全の猫で、身体を動かそうとするとグラグラと揺れ始めます。エッグバートは子猫のことが大好きで、子猫に出会うとすぐに幸せそうに喉を鳴らし始めるそうです。
「エッグバートは子猫にイタズラされても怒ったりすることはありません。彼はいつも嬉しそうに子猫に寄り添っています。」
その後、茶トラ猫の『エルビス』に出会ったクォークは、早速エルビスにハグが必要だと判断しました。そのためクォークはエルビスを抱きしめるために、頭の上によじ登ったそうです。
エルビスはこの動物病院のヒーローで、これまでに病気の猫や子猫に血を分けて、瀕死の命をいくつも救ってきたそうです。
その後、クォークが養育主さんの家で暮らし始めると、18歳のキジトラ猫の『スマッジ』に出会いました。クォークはすぐにスマッジを抱きしめて、グルーミングを始めたそうです。
そんなハグ好きで愛情いっぱいのクォークは、その愛らしい姿で周りの人達の心を次々ととりこにしていきました。クォークは空中をフミフミするのが大好きで、食事の後は必ず柔らかい毛布に包まれながら幸せそうな姿を見せてくれるそうです。
こちらは養育主さんからプレゼントされた魚のヌイグルミと一緒に横になるクォークの姿です。
「クォークは本当にいつも幸せそうにしています。彼は障がいを抱えていますが、自分の人生をとても楽しんでいます。きっとこれから彼のことを迎える家族は、毎日の生活の中でたくさんの幸せを感じることでしょう」とエレンさんが話してくれました。
こうして動物病院にやって来たクォークは、そこで感染症を治してもらい、毎日を幸せに過ごし始めました。とっても社交的でいつも元気いっぱいのクォークは、新しい家族の元にもたくさんの幸せと笑顔を運び続けることでしょう(*´ω`*)