ある日、『トンビ』と名付けられた猫が、トルコのイズミルにある小学校に現れました。トンビは野良猫でしたが、とても社交的で親しみやすい性格の猫でした。そのためトンビは小学校に通う子供達の姿を見ると、みんなの気を引こうとして甘え始めました。
さらにトンビの行動はそれだけでは終わりませんでした。
出典:Ozlem Pınar Ivascu
小学校の敷地内を2週間ほどブラブラしていたトンビは、教室の中で勉強することに決めたようです。どうやらトンビは3年生の授業が自分にピッタリだと思ったようで、3年生の教室に姿を現しました。
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「トンビはある日、私達の教室に入ってきました。子供達はみんな彼のことがすぐに好きになりました」とオズレム・ピナー・イヴァスク先生が言いました。
出典:Özlem Pınar Ivaşcu
そして、トンビは自然とオズレム先生のクラスの一員になりました。
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トンビが教室の中を自由に歩き回ると、子供達の勉強の妨げになるのではと思うかもしれませんが、オズレム先生はトンビが子供達にとても良い影響を与えていることに気づきました。
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トンビのお茶目で好奇心旺盛な姿が、子供達に教室が楽しい場所だと感じさせ、授業に取り組む姿勢を向上させたのです。オズレム先生は子供達を熱心にさせてくれるトンビにとても感謝していました。
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「子供達はみんな学校に時間通りに来るようになりました。そして、自分達でトンビの世話を始めました。トンビが来てくれたおかげで子供達が日々成長しているのを感じます。」
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一方のトンビにとっても教室での生活は素晴らしいものでした。
トンビは安全な場所で睡眠がとれるようになっただけでなく、空腹に耐え続ける必要もなくなりました。また、何十人の友達ができたことで、毎日の暮らしがとても楽しくなったのです。
オズレム先生はトンビを動物病院に連れて行って、健康のチェックと予防接種を受けさせました。
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オズレム先生と子供達はトンビととても上手くやっていましたが、しばらくすると大きな問題が起こりました。
トンビが教室にいることを知った1人の学生の両親が、学校の関係者に「健康被害をもたらす可能性がある」と苦情を言ってきたのです。そのため学校を管理していた人達は、オズレム先生にトンビを教室に置いておくことができないことを伝えてきました。
それを聞いた子供達はとても荒廃しました。そして、トンビの心も荒廃しました。
「トンビは新しい家を見つけて、そこで3日間暮らしましたが、彼は幸せではありませんでした。そして彼は食べることをやめました。私は彼を自宅に連れて帰りましたが、やはり彼は元気になりませんでした。」
トンビのことを心配した子供達は、トンビを元気づけために手紙を書きました。
出典:Ozlem Pınar Ivascu
体調が回復しないトンビの様子を見て、オズレム先生は悲しい現状をSNSに書き込みました。するとその投稿を見た多くの人達がトンビの話を拡散し始めたのです。
「トンビの話はテレビのニュースにも取り上げられ、多くの人達が彼を応援してくれました。またイズミルの教育責任者からも支持を得ました。」
そんな多くの人達からの応援が、苦情を言っていた保護者の心にも変化を与えました。
そして、ついにトンビは大好きな教室に戻ってくることができたのです!
出典:Ozlem Pınar Ivascu
「子供達はトンビと再び一緒になれて大喜びしました。そして、トンビも再び子供達と一緒になれて、元気を取り戻しました」とオズレム先生が嬉しそうに話してくれました。
出典:Ozlem Pınar Ivascu
こうしてトンビは再び、オズレム先生が教える33人の子供達と幸せな時間を過ごせるようになりました。
嬉しいことにトンビの物語りによって、猫が子供達の成長に良い影響を与えることがトルコ中に広がりました。現在、トルコ内では野良猫や保護猫達への関心が高まっていて、新しい家を見つけて幸せになる猫達が増えているそうです(*´ェ`*)
出典:Ozlem Pınar Ivascu/lovemeow