ある日、保護施設に2週齢の子猫達がやって来ました。子猫達は24時間体制の世話が必要だったため、熱心な養育ボランティアのバーブさんが育てることになりました。
しかし、母猫の『チチ』は子猫達と一緒ではありませんでした。「チチは今までの生活環境が原因で重い病気を患っていました。彼女は血栓に苦しんでいて、身体が麻痺していました。そのためチチを動物病院に連れて行った人は、彼女を安楽死させることを望みました」とバーブさんが言いました。
しかし、獣医さん達はそれを拒否しました。そして代わりにチチを必ず健康な状態に戻すことを誓ったのです。
一方の子猫達はバーブさんの家でしっかりと世話をされていました。バーブさんは子猫達の身体を冷やさないようにして、夜の間も2時間おきにミルクを飲ませ続けました。
子猫達はミルクを飲み終わると、いつもゴロゴロと喉を鳴らし始めて、バーブさんの膝の上で眠りにつきました。
そんな中、チチが危険な状態を何とか脱し、5日間でかなりの回復を遂げました。獣医さん達は猫の親子を再会させるために、チチを保護施設へと連れて行きました。
「親子が再会すると、すぐにチチが子猫達の状態を確認しました。そして、全員の身体が綺麗に保たれていることにとても満足しました。」
子猫達との再会を喜んだチチでしたが、病気を患った影響でミルクがほとんど出ませんでした。そのためチチはバーブさんと協力して子育てを続けることになったのです。
「私の任務はミルクを飲ませることで、チチの任務は授乳の補助と毛づくろい、そしてトイレの世話です。」
子猫達はお母さんと再会できたことが嬉しかったようで、幸せそうな姿を見せてくれました。しかし、チチの方は体調が万全ではなかったため、途中で子育てを続けることができなくなってしまいました。
チチは非常に疲れて、ストレスを感じ、痛みを訴え始めました。そして、ついに子育てができなくなって、多くの休憩を取るようになりました。
チチはもうミルクが出なくなっていて、脱水症状を起こし、上気道感染症を患っていました。そのため再び獣医さんのところに戻ることになったのです。
「危険な状態を何とか乗り越えたチチでしたが、彼女には十分な休息が必要でした。今後、彼女の体調が回復したら、里親さんを見つけて、静かな場所で過ごすことになるでしょう。」
とても短い時間でしたが、チチはバーブさんのことを信頼し、子育てを一緒にできたことを嬉しく思っているようでした。こちらは大切な子猫達に愛情を注ぐチチの姿です。
チチが病院に戻った後もバーブさんの子育ては続きました。途中で病気を患った子もいましたが、最終的には全員が食欲を取り戻すことができたそうです。
子猫達は少しずつですが確実に体重を増やしていき、歩けるようになると部屋の中を元気に探索するようになりました。また子猫達はひとりでトイレも使えるようになりました。
そんな子猫達にバーブさんは離乳食を食べさせ始めました。育ち盛りの子猫はたくさんのご飯を食べようと、容器を独り占めすることもあったそうです。
4匹の子猫達はバーブさんのおかげで元気な毎日を過ごしています。子猫達は家の中での生活に幸せを感じているようで、いつもバーブさんに寄り添いながら、幸せそうに喉を鳴らしているそうです。
こうして死の淵を彷徨っていたチチは、獣医さん達のおかげで元気を取り戻し、再び子猫達を育てることができました。それはとても短い期間だったかもしれませんが、チチは自分が持っている全ての愛情を子猫達に注ぐことができたのです。
その後、十分に成長した子猫達は、無事に新しい里親さんの元へと旅立って行きました。きっと子猫達がチチやバーブさんからもらった愛情は、いつまでも心の中に残り続けることでしょう。
出典:kitten_faces/lovemeow