ある日、片方の足に怪我を負った幼い子猫が発見されました。その後、子猫の話を聞いた女性がすぐに現場に駆けつけて、地元の保護施設へと子猫を連れて行きました。
「子猫は箱の中に入っていたところを発見されて、優しい女性によって保護施設まで運ばれてきました。子猫は明らかに右の後ろ足に問題を抱えていました」と保護施設で獣医をしているエリカさんが言いました。
子猫は足の怪我を治療してもらうと、エリカさんの家に向かいました。「子猫はしばらく治療を続ける必要があったため、私が自宅に連れて帰ることにしました。」
『フィービー』と名付けられた子猫は愛らしい容姿をしていて、顔の真ん中で模様が左右に分かれていました。そんなフィービーにエリカさんが柔らかいベッドを用意すると、フィービーは嬉しそうに毛布に包まって、幸せそうにフミフミし始めました。
フィービーはすぐに心を開いて、たくさんの愛情を求め始めました。
エリカさんが世話に来るたびに、フィービーはエリカさんの気を引くために大きな声で鳴いて、様々なことを要求してきました。その姿はとっても愛らしく、エリカさんは決して「ノー」と言うことはできませんでした。フィービーは足が不自由だったにもかかわらず、常に動き回っていて、足を止めることはありませんでした。
また育ち盛りのフィービーは自分でお皿からご飯を食べて、嫌がることなく薬を飲みました。
フィービーは毎日確実に体重を増やし、すぐにエネルギーが何倍にもなりました。
フィービーは成長と共に好奇心が旺盛になり、ベビーサークルから抜け出して、ソファーによじ登る方法を見つけました。そして一度外の世界を知ったフィービーは、ベビーサークルの外が気になって何度も脱走するようになったのです。
フィービーは平均的なサイズよりも小さな身体をしていますが、足りない大きさを強い意志と愛らしい個性で完全に補っていました。
どうやらフィービーは前足が届く全ての場所に登ることを決心したようで、いつも夢中になって高いところに登っているそうです。「フィービーは現在、私の足を登ることを日課にしています。」
エリカさんはフィービーが孤独を感じないように、寄り添うことのできる大きなヌイグルミをプレゼントしました。すると昼寝の時間を迎えると、いつもヌイグルミに寄り添いながら眠るようになりました。
保護から2週間も経たないうちにフィービーは随分と身体が大きくなり、力が増して、出来ることが増えました。フィービーは現在、ひとりでトイレを使えるようになっていて、いつもエネルギーが全身から溢れ出しているそうです。
「間違いなくフィービーは家の中の女王です。」
足の怪我が完治したフィービーは、どんなところにも登ることのできる登山家に成長しました。「フィービーは私のベッドに潜り込んできて、私の指を噛むようになりました。そこで私は先住猫を紹介して、マナーを学ばせることにしました。」
エリカさんの家にいる先住猫の『フォレスト』はとても愛情深い猫で、エリカさんが家に連れてくる全ての保護子猫達を温かく迎え入れて、優しく育ててきました。
そして今回も、フィービーが体重測定をしていると、フォレストがフィービーのところに近づいてきました。
「私がフィービーの体重を量ろうとすると、彼女は大きな声で鳴き始めました。するとフォレストが駆けつけて、フィービーが大丈夫かを確認し始めました。」
その時からふたりはまるでずっと一緒に暮らしていたかのように、寄り添いながら楽しい時間を過ごすようになりました。
フォレストはフィービーの全身を丁寧に毛づくろいして、常に身体が清潔に保たれているかを確認しています。一方のフィービーはたくさんの愛情に大きな喜びを感じていて、いつも満足そうにフォレストに寄り添っているそうです。
こうして置き去りにされていたフィービーはエリカさんのおかげで怪我を治し、幸せな生活をスタートさせることができました。これからもフィービーはエリカさんやフォレストの愛情を全身で感じながら、安全な家の中ですくすくと成長していくことでしょう。
出典:phillykittylady_fosters/lovemeow
This post was published on 2023/10/27