ある寒い日のこと、ベッドと一緒に置き去りにされていた子猫達が、『お母さん』に温められているところを発見されました。しかし、『お母さん』だと思われていた猫は、実は『お母さん』ではありませんでした。
その日、保護団体『ホームレス・アニマル・アダプション・リーグ』に一本の電話が入りました。それは置き去りにされていた猫達を発見したという電話でした。
電話をかけてきた男性は、帰宅の途中で猫達の姿を発見しました。その日は天候が悪く、冷たい雨が降り始めていたため、男性はすぐに保護団体に連絡をしました。男性は急ぎの用事があったため、猫達がいる場所をスタッフに伝えると自宅へと帰りました。
スタッフは急いで子猫達のところに向かい、男性に教えてもらった場所で青い容器を発見しました。そしてスタッフが容器の中を覗き込むと、大人の黒猫がしっかりと子猫達の身体を温めていました。
黒猫はまるで「私達を見つけてくれてありがとう」と言っているかのように、スタッフのことをじっと見つめてきました。スタッフはその姿を見て、子猫達を優しく守っていた黒猫が子猫達のお母さんだと思いました。
スタッフはすぐに容器を毛布で覆うと、保護施設へと連れて帰りました。保護した時は子猫の数が4匹だと思ったスタッフでしたが、施設に戻って再び確認すると6匹だったためとても驚いたそうです。
猫達は病気にかかっておらず、とても健康的でした。どうやら発見される直前まで誰かに世話をされていたようです。
スタッフが黒猫の健康状態を確認している最中に、驚きの事実が分かりました。愛情いっぱいに子猫達の世話をしていた黒猫は、お母さんではなくオス猫だったのです!
黒猫が子猫達のお父さんだったのか、お兄さんだったのか、それとも全く血の繋がりの無い猫だったのかは分かりませんが、まだ幼い子猫達にとってはとても優しいお母さんでした。
その後、スタッフは黒猫に『ミセス・ダウトファイア』と名付けました。
「ダウトファイアは、弱いものを守るために何をしなければならないのかを私達に教えてくれました」とスタッフが話してくれました。
こうして子猫達は『お母さん』に守られながら、寒い夜を乗り越えることができました。自由に動き回れるダウトファイアは子猫達を置いてどこかに行くこともできましたが、ダウトファイアはどこにも行かず、子猫達を優しく温め続けていたのです。その愛情深いダウトファイアの姿は、私達に大切なことを教えてくれているような気がします。
This post was published on 2024/11/21