約3ヶ月前、保健所で先の見えない生活を送っていた2匹の子猫達が、保護施設『アニマラバーズ・ドリーム・レスキュー』で養育ボランティアをしているナージャさんの家にやって来ました。子猫達は非常に体調が悪く、重度の眼感染症で目が見えなくなっていて、24時間体制のケアが必要でした。
『ペネロペ』と名付けられた身体の大きな方の子猫は、ナージャさんの助けを借りて哺乳瓶からミルクが飲めるようになりました。
ペネロペは治療によって危険な状態から脱することができ、毎日少しずつ回復していきました。そんなペネロペはミルクを飲み終わるたびに、妹の『ミラ』を慰めるかのように寄り添いました。
しかし、ナージャさんや獣医さん達の最善の努力にもかかわらず、ミラの体調は急速に悪化していきました。ペネロペはミラのことを心配して、ナージャさんが養育部屋を出るたびに大きな声で鳴きました。
その後、悲しいことにミラは回復することなく息を引き取りました。
「ペネロペは寂しそうに鼓動のするヌイグルミに寄り添い続けました。妹を失った彼女は明らかに友達を必要としていました」とナージャさんが言いました。
数日後、ナージャさんはペネロペが過ごしていた保健所に、養育主さんの世話を必要としている別の子猫が入ったことを知りました。
『パイパー』と名付けられた子猫はペネロペとほぼ同じ年齢で、ペネロペと同じように眼感染症を患っていました。また驚いたことにパイパーは、ペネロペの妹のミラにとてもよく似ていました。
「私はまるでふたりが最初から出会うことが決まっていたかのように感じました。」
「パイパーはとても優しく、私の顔に身体を擦りつけたり、私の顔を掴んで自分の顔を近づけたりしてきました。また彼女は安全な環境で過ごせることに感謝しているようで、いつも嬉しそうに喉を鳴らしています。」
その後、ついにふたりが出会うと、ずっと友達を熱望していたペネロペは大喜びしました。そしてお互いに何度か挨拶を交わした後、ペネロペはミラにしたのと同じように、パイパーにピッタリと寄り添ったのです。
大きな幸せを感じたペネロペは、喉のゴロゴロ音で部屋中を満たしました。「ペネロペは新しい友達との出会いに非常に興奮していました。ふたりはすぐに絆を深めて親友になりました。」
ナージャさんはしばらくの間、ペネロペの視力が回復しないのではないかと心配していましたが、本人は全く気にしていないようでした。
ペネロペは視力が無いにもかかわらず、難なくベッドの上に登ることができました。一方のパイパーは徐々に目が回復していき、ペネロペと一緒に遊んでいる時は、いつもペネロペのことを導くようになりました。
ペネロペはパイパーの足音を聞きながら移動して、パイパーと一緒に部屋中を歩き回っています。ふたりは決してお互いのそばから離れることはありません。
入念なケアと適切な治療によって、ペネロペの目の腫れはおさまっていき、曇りも消え始めました。さらに目の癒着を除去する手術によって、奇跡的にペネロペの両方の目が見えるようになったのです。
「私はペネロペの両目を救えたことに大きな喜びを感じています。」
ペネロペが大きな進歩を遂げる一方、パイパーは眼瞼内反症(がんけんないはんしょう。まぶたが内側に曲がっている状態)になっていることが分かりました。それがパイパーの目に繰り返し炎症を起こしていました。
その後、パイパーがまぶたの矯正手術を受けると、ペネロペが術後のパイパーを抱きしめて、まるで安心させようとしているかのように大きな音で喉を鳴らし続けました。
「ペネロペは私がこれまで養育してきた中で、最も優しい子猫のひとりです。彼女は私を見たり、声を聞いたりするとすぐに喉を鳴らし始めます。そして私の膝の上に飛び乗って、私の顔にキスをしてきます」とナージャさんが話してくれました。
ペネロペとパイパーはお互いに辛い時期を乗り越え、明るい未来に向かって歩み続けています。ふたりはこれから里子に出る準備を整えて、一緒に里親さんを探し始めるそうです。きっとふたりの前には素敵な家族が現れて、いつまでも幸せな毎日を送っていくことでしょう。
出典:tiny.paws.fosters/lovemeow