心に不安を抱えている時、友達の存在は大きな力になります。そばで励ましてくれる友達がいることで、自分が決して独りではないことを感じることができるのです。
それは犬の『ジュール』も同じでした。ジュールはいつも取り残されることを怖がっていて、常に独りになりたくないと思っていました。
今から数年前、保護施設に入っていたジュールは、ブレンナ・エッカートさんに引き取られました。
「私達がジュールを引き取った時、彼女は多くの不安を抱えていました。私達は彼女の分離不安を解消するために、いつも家族の誰かがそばにいるようにしていました」とブレンナさんが言いました。
「ジュールは本当にマジックテープのような犬です。私達が家にいる時は必ず、彼女は誰かにピッタリとくっついています。」
そんな寂しがり屋のジュールが家族の一員に加わった直後、ブレンナさんはもう1匹のペットを家族に迎えました。それが保護子猫の『ケルビン』でした。嬉しいことにジュールとケルビンは、出会った瞬間にお互いのことを受け入れたそうです。
「私達がお世話になった保護施設では、里子に出る前の動物達に仮の名前をつけています。ケルビンの元の名前はソックスで、ジュールの元の名前はサンダルでした。私達は仲良くなったふたりの姿を見ながら、『ソックス(靴下)とサンダルがこんなに素敵なペアになるなんて』と話したりしていました。」
しかし、この時のブレンナさんはまだ、ジュールとケルビンの絆がどれほど深いものだったかを知りませんでした。そしてある日、ブレンナさんが自宅に防犯カメラを設置した時、ふたりの絆の深さに気づいたのです。
ブレンナさんがカメラの映像をチェックしていた時、自分の目に飛び込んできたものを信じることができませんでした。それは家族が外出して緊張していたジュールを、ケルビンが優しく慰める姿でした。しかもそれは短い時間ではなく、家族がいない間ずっと続いていたのです。
「私達はカメラの映像を見て、ケルビンとジュールが毎日ソファーの上で一緒に横になっていることに気づきました。そこで私達はソファーの様子がよく見えるようにカメラの位置を移動させました。するとふたりはソファーを共有しているだけでなく、お互いに寄り添い合っていることに気づきました。私達はその姿にとても驚きました。」
ブレンナさんはその様子にとても感動しました。そして、ふたりの様子をSNSに投稿し、『私達が出かけている8時間の間、ずっとこの状態が続いています』と書き込んだのです。
誰かが寄り添ってくれることは寂しがり屋のジュールにとって、とても安心することでした。でもそれはジュールだけが幸せを感じているわけではありませんでした。ケルビンの方も家族が出かけたことで、寂しさと孤独を感じていたのです。ふたりはお互いの心の隙間を完全に埋め合っていました。
「ケルビンはとても愛情深く、甘い猫です。彼は寝ることと温まることが大好きで、その両方をジュールに寄り添うことで得ているようでした。」
ジュールとケルビンの絆の深さは、今まではふたりだけにしか知らないことでした。しかし、ブレンナさんがカメラを設置したことで、ふたりの絆に気づくことができたのです。ブレンナさんは自分の留守中にジュールが優しく世話をされていたことを知って、とても幸せな気持ちに包まれたそうです。
「私達がそばにいない時、ふたりはお互いにピッタリと寄り添い合っています。でも私達が家に帰ると、ジュールは常に私達のそばにいるため、ケルビンのことをあまり気にしていないように見えます。」
そんな家族の前ではそっけない関係のジュールとケルビンですが、唯一の例外はブレンナさんがソファーで横になっている時です。その時だけはみんなで寄り添い合って、一緒の時間を過ごしているそうです(*´ω`*)
出典:ginger_cat_and_vizslas/thedodo