人生に、もふもふを。

雨の中をあてもなく彷徨い歩いていた猫。優しい親子に偶然出会うと、幸せいっぱいのモコモコの猫へと生まれ変わる

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ある雨の日のこと、ラディアさんと母親が車で家に向かっていると、自宅のそばの道路脇で、あてもなく彷徨い歩く猫の姿を見つけました。猫はやつれていて、全身が濡れていたため寒そうに見えました。

ラディアさんが車を降りて猫の様子を見に行くと、母親が急いで自宅に戻ってキャリーを持ってきました。猫は人間のことを警戒していたため、車の下へと逃げ込みました。

二人は猫にオヤツを近づけて、猫が車の下から出てくるのを辛抱強く待ちました。すると空腹に耐えられなかった猫が、ついに姿を現したのです。

二人は猫を保護すると、キャリーに入れて動物病院へと向かいました。そんな二人のおかげで路上を彷徨っていた猫は、安全な家の中で暮らし始めることができたのです。

ラディアさんと母親、そして妹のザーラさんは、クウェートで小規模な動物保護団体『シータ・アンド・カンパニー』を運営していました。

保護された猫出典:pokeypotpie

ラディアさん達に『アッパ』と名付けられた猫は、目の感染症と耳ダニの治療を受けました。アッパはマイクロチップを持っておらず、アッパのことを自分の猫だと言う人も現れませんでした。

ラディアさん達はアッパを自宅に連れて帰って、身体を回復させるためのケアを始めました。アッパはとても静かで、一日のほとんどの時間を眠って過ごしました。またアッパは毛づくろいをしようとせず、遊ぶことにも興味を示しませんでした。

「アッパはその場からほとんど動きませんでした。でも私達に身体を撫でさせてくれて、嬉しそうに喉を鳴らし始めました」とザーラさんが言いました。

アッパはこれまでずっと路上で必死に生きてきたため、疲れ果てているように見えました。「私達はアッパを元気付けようとマッサージをして、ブラッシングをしました。すると彼はとても喜んでくれました。」

安全で快適な環境に安心したアッパは、徐々に自ら人間の愛情を求めるようになっていきました。

ラディアさん達が設立した保護団体では、アッパのような猫がより良い生活を送れるように、アメリカの保護団体と協力しながら、クウェートで保護した猫達をアメリカに送って、新しい家を見つけてきました。そして今回もアッパの話を聞いたワシントンにある保護団体『シティー・キトゥンズ・DC』が、アッパを受け入れることを申し出ました。

アッパはもう1匹の保護猫の『ハーバイ』と一緒に海を渡り、養育主のジェンさんの家に到着しました。アッパはすぐに新しい環境に慣れて、里子に出る準備を整えました。

ちょうどその頃、家族に迎える猫を探していたアリソンさんがSNSでアッパの投稿を見つけ、アッパに一目惚れしました。「私はクウェートからワシントンに来るまでのアッパの話を読み、アッパの里親募集が始まった日に早起きして里親の申し込みをしました」とアリソンさんが言いました。

「そしてアッパに初めて会うと、私の心は完全に奪われました。」

一方のアッパもアリソンさんに会うとすぐに、アリソンさんの温かい愛情にとろけて、頰を撫でられながらゴロゴロと喉を鳴らし始めました。

1週間後、アッパは『サー・ルイス』に名前を変えて、アリソンさんと婚約者が住む家に引っ越し、すぐにその場所を自分の王国だと主張し始めました。

ルイスは常にアリソンさん達の近くにいたいと思っていて、撫でられるたびにゴロゴロと喉を鳴らしながら全身で愛情を吸収しました。

またルイスは昼寝をする時にアリソンさん達の隣で丸くなるのが好きで、常に前足をアリソンさん達に触れていたいと思っていました。

「私達はルイスの愛らしい個性が見られることに幸せを感じています。彼は本当に遊ぶことが好きで、いつもオモチャを追いかけて無邪気に遊んでいます。また彼は食事の時間にとても厳しい猫です。」

アリソンさんは毎朝、お皿の隣に立っているルイスの不機嫌そうな鳴き声で目を覚まします。そしてアリソンさんが起きたことにルイスが気づくと、すぐに朝食を出して欲しいと激しく要求してくるそうです。

「ずっと路上で暮らしてきたルイスにはいくつかの健康上の問題がありましたが、安全な生活と必要なケアで健康な状態を取り戻すことができました」とアリソンさんが嬉しそうに話してくれました。

こうして多くの人達の助けを借りて、ルイスは最高の生活をスタートさせることができました。すっかり家の中の王様になったルイスは、これからもたくさんの愛情を吸収しながら、幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:pokeypotpielovemeow

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