ある日、ギリシャを旅行していた夫婦が、道端で独りぼっちになっていた子猫の姿を見つけました。「私達がオリーブの木の道を抜けた時、夫が立ち止まって1匹の子猫を指差しました」とオリビアさんが言いました。
子猫は生後約3〜4週で、近くに母親や兄弟の姿はありませんでした。心配した夫婦が子猫に近づいて行くと、子猫は逃げる様子もなく、夫婦のことをじっと見つめてきました。そしてオリビアさんが子猫を救い上げると、子猫はまるで自分が安全だということを知っているかのように、オリビアさんの手の中で甘え始めました。
「子猫はとても痩せ細っていて、全身にたくさんのノミやダニがついていました。私達は子猫を動物病院へと連れて行きました。」
子猫は夫婦のそばで落ち着いて、顔をこすりつけたり、腕に寄り添ったりしてきました。また子猫は夫婦の周りを歩き回って、腕の中で昼寝がしたいと主張してきました。
夫婦は旅行中だったため、地元で動物の保護活動をしている人を見つけて、自分達が家に帰る時まで子猫を預かってもらうことにしました。「幸いなことに、これまでにたくさんの保護猫達を救ってきたティナさんが子猫を預かってくれました。子猫は私達が帰る時まで、ティナさんの家で養育されることになりました。」
その後、『キス』と名付けた子猫を夫婦が迎えに行くと、キスはとっても興奮しました。そして夫婦の家に着くまでずっとオリビアさんにくっついていました。
キスが新しい家に着くと、さっそく家中を探索し始めました。そしてすぐに楽しそうに遊び始めて、お腹をいっぱいに満たすと夫婦の隣で幸せそうに眠り始めました。「キスはその日、生涯の家に着いたことを知っているかのように、長い時間ぐっすりと眠り続けました。」
その日からオリビアさんはキスの愛らしいゴロゴロ音で目を覚ますようになりました。そして夜になるとキスはオリビアさんのそばでフミフミし始めて、ゴロゴロと喉を鳴らしながら眠りに落ちていきました。
夫婦はキスのおかげですっかり猫との生活が好きになり、キスの友達を見つけるためにギリシャのティナさんに連絡をしました。そして夫婦は子猫の『バリ』と『エラ』のことを知りました。
夫婦はすぐに子猫達に夢中になり、ふたりを引き離すことが出来ないことを知りました。
「私達にはどちらか一方を置き去りにすることが出来なかったため、両方の子猫を家族に迎えることに決めました。」
その後、夫婦の家に着いたバリとエラはすぐに新しい家に落ち着いて、数日後にキスに会いました。すると3匹は一緒に遊び始めて、お昼寝スポットを共有するようになったのです。
バリとエラの姉妹は、適度な距離感を理解していないキスに境界を教えました。またバリはキスのお姉さんの役割を引き受けて、辛抱強くキスに他の猫との接し方を教えました。
現在、3匹は全てのことを一緒に行い、一緒に食事をしています。1ヶ月ほど年下のキスは少しずつ姉妹の大きさに近づいてきていて、力強さも増してきているそうです。
子猫達はみんな人懐っこい性格で、オリビアさんのそばで昼寝をするのが大好きです。またバリとエラは年下のキスのことをいつも気に掛けていて、決して遠く離れることはないそうです。
こうして旅行中にキスを保護した夫婦は、結局3匹の子猫達を救うことになりました。夫婦は子猫達に出会えたことに大きな喜びを感じていて、オリビアさんは「3匹の小さな天使が私の人生を大きく変えました。もう彼らのいない人生を想像することはできません」と話してくれました。
出典:kissamostherescue/lovemeow