ある日、1匹の子猫が保護されて、地元の保護施設に運ばれてきました。その後、子猫が養育主さんの家で過ごし始めると、養育主さんは子猫の後ろ足に違和感があることに気づきました。
「保護施設のスタッフは子猫が動き回ることに苦労していたため、私達のところに連絡をしてきました。私達の施設は障がいのある保護猫達を専門に預かっています」と保護施設『マーフィーズ・ロー・アニマル・レスキュー』の創設者のサラ・ケリーさんが言いました。
『レオ』と名付けられた子猫は、スイマー症候群と呼ばれる先天性疾患を患っていて、後ろ足が横に広がり、歩いたりジャンプしたりすることが難しい状態でした。
そんな状況にもかかわらず、レオは最初からとても勇敢でした。レオは他の子猫達について行きたくて、常に全力で前進していました。
「私達はレオにライオンのように強く生きていって欲しいという願いを込めて、この名前を付けました。」
レオは新しい環境に落ち着くと、身の回りにある全てベッドやオモチャを自分のものだと主張し始めました。レオは怖いもの知らずで、みんなに注目されることが大好きで、伝えたいことがある時は躊躇することなく話しかけてきました。
レオのようなスイマー症候群の子猫を育てた経験のあるサラさんは、レオの後ろ足の動きを改善するために治療を始めました。
レオは治療を行うことが、立ったり歩いたりするために役立つことを知っているかのように、サラさん達の言うことを素直に聞いていました。「私達はレオの後ろ足にテーピングをして、足の開き方を矯正し始めました。」
レオはいつも優しく世話をしてくれるサラさんのことがすぐに好きになり、サラさんが部屋に入ってくるたびにゴロゴロと喉を鳴らすのが日課になりました。
レオは自らサラさんのところに向かって行って、まるで治療を受ける準備が出来ていることを伝えるかのように、サラさんの目をジッと見つめ始めました。レオは定期的にストレッチとウォーキングを行うことで、徐々に後ろ足の動きを改善させていきました。
レオはとても好奇心旺盛な男の子で、いつも探索に出かけて、人間の注目を集めるために愛らしい姿でアピールしてきます。そして自分が欲しいものを手に入れるまで、ノンストップで喉を鳴らしながら、大きな声で鳴いてくるそうです。
「レオはとてもハグ好きの甘えん坊で、いつも私達の足や膝の上に寄り添いながら遊んでいたいと思っています。また彼はここで出会った子猫の兄弟に寄り添うことも大好きです。」
今のレオは保護された時よりもずっと楽に動き回れるようになっていて、遊びながら少し飛び跳ねたりすることもできるようになりました。
2週間の治療やトレーニングでレオはかなり強くなりました。どうやらレオはいつの日か、他の子猫達と同じように、走ったりジャンプしたりすることを決意しているようです。
レオはまるでライオンのよう力強く生きていて、その名に恥じない生き方をしているのです。
レオの身体はとても小さいですが、愛らしい個性と強い意志、そして大きな心で身体の小ささを完全に補っているのです。
こうして生まれた時から障がいを抱えているレオは、サラさん達の力を借りながら、ここまで成長することができました。きっとレオはこれからさらに後ろ足を改善させていき、元気いっぱいに走り回ったり、飛び跳ねたりする日が来ることでしょう。
出典:kellyfosterkittens/lovemeow