人生に、もふもふを。

犬に襲われ、身篭っていた我が子を失った猫。独りぼっちの迷子の子犬を温かく迎え入れて、母親の愛情を注ぎ続ける

0

ある日、メキシコのプエルトペニャスコで猫の『ガートルード』が発見されました。ガートルードは犬に襲われて大怪我を負っていたところを保護されて、野良犬の救助活動を行なっている保護団体『ボーダーズ』へと運ばれてきました。

その後、動物病院に運ばれたガートルードは緊急手術を受けました。獣医さん達はすぐにガートルードの妊娠に気づきましたが、悲しいことにお腹の中の全ての赤ちゃんが亡くなっていました。

獣医さん達はあらゆる手を尽くし、ガートルードの命を救いました。その後、獣医さん達のおかげで日に日に回復していったガートルードでしたが、彼女の心には何かが欠けていました。

そして手術から1週間後、動物病院に母親のいない幼い子犬が運ばれてくると、ガートルードは心の隙間を埋めるかのように子犬に愛情を注ぎ始めたのです。

泣く猫出典:Compassion Without Borders

『クレメンタイン』と名付けられた子犬は、3匹の兄弟と共に迷子になっていたところを保護されました。子犬達はみんな重い病気を患っていたためすぐに治療が始められましたが、悲しいことに3匹の兄弟は命を落とし、クレメンタインだけが生き残ったのです。

独りぼっちになったクレメンタインは、母親の愛情と温もりを探していました。

そんな中、動物病院のマネージャーのクラウディアさんがクレメンタインを抱えながらケージの方へと向かっていると、ガートルードが強い反応を示したのです。それはクラウディアさんにとって予想外のことでした。

保護された子犬出典:Compassion Without Borders

「ガートルードはケージの手前に来て、クレメンタインに話しかけるように鳴き始めました。さらに彼女は頭をケージに押しつけて、必死になってクレメンタインに迫ってきました」と保護団体の創設者のクリスティー・カンブラーさんが言いました。

ガートルードは母猫が子猫に話しかける時と同じように、クレメンタインに話しかけてきました。ガートルードの母親としての本能が、幼い赤ちゃんを求めていたのです。

クレメンタインには母親の愛情が必要だったため、獣医さん達はガートルードに預けてみました。するとふたりは一瞬で結ばれて、ガートルードはまるで本当の母親のようにクレメンタインの毛づくろいを始めたのです。一方のクレメンタインはガートルードに母親の愛情を感じたようで、ピッタリと寄り添いながら過ごし始めました。

さらにガートルードはクレメンタインを抱きしめながら、大きな音で喉を鳴らし始めました。ガートルードは赤ちゃんを育てられる喜びを全身で感じていたのです。

子犬と猫出典:Compassion Without Borders

そして2週間後、ふたりは一緒に養育主さんの家へと引っ越しました。ふたりはいつも一緒に行動していて、誰にも引き離すことはできないのです。

ガートルードはクレメンタインをいつも綺麗にして、身体を温めています。時々、イタズラ好きのクレメンタインにもみくちゃにされることもありますが、ガートルードは全く気にする様子もなく、愛する我が子にたくさんの愛情を注ぎ続けているそうです。

「私はふたりの絆の深さにいつも驚かされています。私は何年も動物達を救助してきましたが、こんなに強い結びつきを見たのは初めてのことでした」とクリスティーさんが話してくれました。

その後、クレメンタインが十分に成長すると、ふたりは同じ里親さんの元へと旅立って行きました。ふたりは今もお互いから離れることなく、幸せな毎日を送っているそうです。

こうしてガートルードとクレメンタインは保護先でお互いを見つけ、温かい愛情を感じることができました。種族の違うふたりですが、永遠に離れることのない本当の親子になったのです。
出典:Compassion Without Borderslovemeow

この猫の記事を友達にシェアしよう