約1ヶ月前、動物保護活動と養育ボランティアをしているエミリーさんは、いつも一緒に活動している仲間から、助けが必要な未熟児の子猫についての連絡を受けました。
子猫は保護されたばかりの生後7〜8ヶ月の若い野良の母猫から生まれました。母猫は強いストレスによって、予定よりも随分と早く出産を迎えてしまったそうです。
そして翌朝になると、母猫は子猫を育てることをやめてしまいました。そのため子猫の命を助けるために、エミリーさんのところに連絡が入ったのです。
『フィーベル』と名づけられた子猫は、非常に危険な状態に陥っていました。「私の家に着いたフィーベルは非常に身体が冷たくなっていて、頭を持ち上げることもできず、呼吸にも問題がありました」とエミリーさんが言いました。
「最初の5日間はフィーベルの血糖値を維持するために、1時間ごとにチューブを使って栄養を与え続けました。彼はその間中ずっと、自分の運命と必死に戦い続けていました。」
フィーベルは非常に生存確率の低い中、何度も危険な状態を乗り越えました。フィーベルはミルクの時間以外はずっと保育器の中で体温を調整されて、毛布にくるまりながら過ごしていました。
「私は保育器を開くたびに、フィーベルが息をしていないのではないかと怖くなりました。私は毎回、自分の鼓動が速くなるのを感じました。」
フィーベルは非常に小さな身体をしていましたが、その身体の中には生きたいという強い意志がありました。フィーベルはどんな危険な状態も必死に乗り越えて、前進し続けたのです。
「フィーベルは私の家に来てから約5日後に、ついに哺乳瓶からミルクを飲むことが出来るようになりました。そして私はその時、彼はもう大丈夫だろうと感じました。」
フィーベルは徐々に元気になっていき、新たな発見を求めて寝床の中を動き回るようになりました。フィーベルは何度も危険な状態を乗り越えて1週齢になりましたが、身体のサイズは3日齢の子猫ほどの大きさしかありませんでした。
フィーベルはその後もエミリーさんの助けを借りながら、徐々に成長していきました。
「フィーベルの身体は小さいですが、とても健康的に過ごしています。彼は現在、ミルクをいっぱい飲んで、日に日に体重を増やし、確実に成長を続けています。」
フィーベルは成長するに連れて、灰色だった毛が黒へと変わっていき、個性も輝き始めました。フィーベルは声を出すとエミリーさんがすぐに来てくれることに気づいたようで、何か伝えたいことがある時は躊躇することなく大きな声で鳴くようになったそうです。
「フィーベルの性格はとても甘くてお茶目です。彼は私が今まで出会った中で、最も愛情深い子猫のひとりです。彼はハグと食べることが大好きな元気いっぱいの子猫で、いつも柔らかいものをこねながら愛らしい姿を見せてくれています」とエミリーさんが話してくれました。
現在、フィーベルが保護されてから約1ヶ月が経ちました。最初はとても小さく弱々しかったフィーベルでしたが、エミリーさんの力を借りながら、こんなに大きく成長することができたのです。
これからもフィーベルは安全な家の中でたくさんの愛情を感じながら、いつまでも幸せいっぱいの毎日を歩み続けていくことでしょう。
出典:emiliexfosters/lovemeow