ある日、妊娠中の猫が保護されて地元の保護施設に運ばれてきました。到着後すぐに陣痛が始まった猫は、保護施設で5匹の子猫を出産しました。そのうちの1匹は身体がとても小さく、前足が変形していました。
「保護施設のスタッフ達はみんな、一番小さな子猫が生きていけるかどうか確信が持てませんでした。スタッフ達は子猫の前足がねじれていたため、自分の身を守ることが出来ないのではないかと考えていました。猫の親子はその後、別の保護施設『オレゴン・フレンズ・オブ・アニマルズ』に運ばれて、私の家にやって来ました」と養育ボランティアのアンジェラさんが言いました。
『ダブ』と名づけられた子猫は、兄弟よりも多くの授乳時間とケアを必要としていました。アンジェラさんは兄弟が寝ている間に、ダブがお母さんを独り占めできるようにしました。そのおかげでダブは毎日確実に成長していきました。
兄弟が部屋の中を探索し始めた時、ダブはまだおぼつかない足取りでゆっくりと這い回っていました。ダブの前足はまだ身体を支えるほどに強くはありませんでしたが、ダブは一生懸命に前に進もうとして、自分に合った歩き方を身につけようとしていました。
ダブは毎日、物理療法とマッサージを行い、母猫やアンジェラさんの励ましのおかげで、信じられないほどの進歩を遂げました。ダブは歩く技術を習得するとすぐに自分の周りを歩き回るようになり、兄弟と一緒に遊び始めました。
「ダブは兄弟に追いつくことを決心していて、日々強くなっていきました。私はその様子を見て、とても嬉しい気持ちになりました。」
ダブは身体の大きさも強さも変わっていき、機動力が数週間で大幅に改善されました。ダブは非常に順応力が高く、まるでカンガルーのように後ろ足で立って、完璧に顔の手入れをする方法を身につけました。
「ダブの前足はまだ少しねじれているかもしれませんが、そのことが彼女にやりたいことを諦めさせることはありません。」
ダブが聞き慣れない音を聞いたり、部屋の中を調べたい時は、いつも2本足で立ち上がって周りの様子を観察し始めます。ダブは自分の好奇心の赴くままに行動しながら、フワフワで元気いっぱいの子猫へと成長したのです。
ダブは兄弟がやっていることの全てに参加しようとしていて、兄弟と一緒に楽しい時間を過ごしています。以前、ダブが弾むオモチャを見つけた時は、夢中でオモチャを追いかけて、勢いよくキャッチしていたそうです。
「私がこれまでに育ててきたほとんどの子猫の兄弟には、1匹だけ小さい子猫がいました。その子猫は病気や障がいを抱えていることが多く、成長するために人間の助けを必要としていました。」
アンジェラさんのケアのおかげで前足が随分と改善したダブは、もうこれ以上の治療や手術は必要ないそうです。
「ダブは兄弟と同じように素早く走り回ることができます。彼女の前足はしっかりと身体を支えていて、移動を邪魔することはありません。私は彼女がここまで来られたことをとても誇りに思っています」とアンジェラさんが話してくれました。
こうして前足に障がいを抱えていたダブは、みんなのおかげで不自由なく生活することができるようになりました。ダブはこれからも充実した日々を過ごしながら、元気いっぱいの毎日を送っていくことでしょう(*´ω`*)
出典:fosteringlove.pdx/lovemeow