3月の初旬、保護施設『シェルビーズ・キトゥン・セーフハウス』の創設者のシェルビー・ソープさんの元に、TNR活動(野良猫の不妊去勢手術を行い、元の場所に戻す活動)をしていた人達から助けが必要な子猫についての連絡が入りました。子猫の母親は生まれたばかりの子猫達の世話をすることができなかったため、その子猫だけがかろうじて命をつないでいました。
「唯一生き残っていた子猫は身体を震わせていました。子猫は非常に悪い環境の中にいたため、TNR活動をしていた人達が子猫を私達の施設に連れてきました」とシェルビーさんが言いました。
その後、シェルビーさんが子猫を自宅に連れて帰ると、すぐに先住猫のひとりが子猫に会いにやって来ました。
「私は必要なものを別の部屋に取りに行った時に、キッチンのドアを閉め忘れてしまいました。その後、私が子猫の元に戻ると、飼い猫の『ポーラー』がキャリーの中にいる子猫の様子をうかがっていました。私はその時から彼が子猫の素敵なお兄さんになることを知っていたように思います。」
『クレオ』と名づけられた子猫は全身にノミがついていて、目に感染症を患っていました。シェルビーさんはすぐにクレオの目を綺麗にして、治療を行い、24時間体制でチューブを使ってミルクを飲ませ始めました。
クレオは暖かいベッドの中で、鼓動のするヌイグルミに寄り添いながら眠り、身の回りの探索をするようになりました。「クレオが哺乳瓶からミルクを飲み始めた時、私はもう彼女が大丈夫だろうと感じました。」
クレオは食事のたびにお腹をいっぱいに膨らませて幸せを感じていました。安全な家の中で暮らし始めたクレオはもう、この先ずっと野外の厳しい環境の中でお腹を空かせながら彷徨い歩く必要はないのです。
その後、体重が増え始めたクレオはますます周囲に興味を持つようになり、ポーラーや先住猫達の存在を気にするようになりました。
「ポーラーはすぐにクレオに興味を持ちましたが、クレオの病気の検査が終わるまで、接触することができませんでした。ポーラーはその間もずっと、クレオと一緒に過ごせるのをウズウズしながら待っていました。」
シェルビーさんのおかげで徐々に力強くなってきたクレオは、足の使い方を学び始めて、ベッドの中を歩き回るようになりました。またシェルビーさんはクレオが寂しさを感じないように、一日に何度もクレオを抱きしめて安心させました。
そしてついにクレオが他の猫と会う準備を整えると、すぐにポーラーが会いにやって来ました。そしてポーラーは早速とっても嬉しそうに、クレオの全身を毛づくろいし始めたのです。
「ポーラーはまるで母親のようにクレオの世話を始めました。どうやらクレオもポーラーに母親の温もりを感じたようで、ポーラーに寄り添いながら幸せそうに過ごし始めました。」
ポーラーの毛づくろいは少し強引な時もありますが、クレオはかまってもらえるのが嬉しいようで、ポーラーのそばから離れたりすることはありませんでした。
またクレオはシェルビーさんのおかげですっかり人間好きになったようで、毎日シェルビーさんの膝の上で楽しそうに遊んでいるそうです。
クレオの人生の始まりは辛いものでしたが、優しい人達やポーラーのおかげで幸せな毎日を送れるようになりました。クレオは今、自分が愛されていることを知っていて、常に幸せを感じながらすくすくと成長を続けているのです。
出典:fosterkittenlove/lovemeow