保護施設『ジンズ・ボトル・ベビーズ』のシェルビーさんが新しい家に引っ越した直後、シェルビーさんと夫は近所の家の敷地内にたくさんの猫達がいることに気づきました。
夫婦はこの家の住人(猫達の世話人)と知り合いになり、近所の猫達について学びました。そして夫婦は近所の猫達を保護すると、病気の治療と避妊去勢手術を行いました。「治療や手術が必要な猫は30〜40匹いて、中には妊娠している猫もいました」とシェルビーさんが言いました。
その後、夫婦が家のリフォームで忙しくしていると、家の周りをウロウロしている1匹の猫に出会いました。猫は世話人の家の庭で暮らしていて、夫婦が引っ越してくる前日の夜に出産を終えたばかりでした。
夫婦は授乳中の母猫が子猫達から離れた場所で長い時間を過ごすことが珍しいことだと分かっていたため、猫のことがとても気になりました。
そのため夫婦が世話人のところに伝えに行くと、世話人から『レッド』という名前の茶トラの子猫の話を聞きました。
レッドはある日、世話人の家の庭の外に姿を現しました。そして庭の中にいた生まれたばかりの子猫達の鳴き声を聞くと、フェンスを飛び越えて子猫達と一緒に過ごし始めたのです。「レッドは子猫達のシッポで遊んだり、子猫達の様子を見守ったりしていました。」
その後、母猫が子猫達の授乳をやめてしまったことが分かると、シェルビーさんは子猫達を保護することを決めました。子猫達は母猫を呼ぶために大きな声で鳴いていましたが、母猫が子猫達のところに来ることはありませんでした。しかし、そんな母猫に代わって、レッドがいつも子猫達のところへと駆けつけてきたのです。
レッドは柵を飛び越えた日から、子猫達の世話をすることを心に決めていました。そのためシェルビーさんは子猫達を保護する時に、レッドも一緒に保護しなければならないことを知っていました。
「私達は子猫達を自宅で養育するために、出来るだけ早く引っ越しの片付けを終わらせました。そして4匹の子猫達と一緒にレッドを自宅に迎え入れました。」
子猫達はみんなあまり元気がありませんでしたが、たくさんのご飯でお腹を満たして、フカフカのベッドで長時間眠ると、保護から丸一日が経つ頃には随分と元気を取り戻していました。
またレッドは家の中で過ごし始めてからも、『コーラル』『マンバ』『キング』『バイパー』と名づけられた4匹の子猫達のことを常に守りながら、みんなの先生として様々なことを教えていました。
レッドは保護先で人間の膝の心地良さに気づき、幸せそうに抱きつくようになりました。また身体を撫でられると喉をゴロゴロと鳴らして、たくさん甘えてくるようになったのです。
その後、子猫達に社会化の勉強をさせるために、養育ボランティアのジェンさんが5匹の子猫達の養育を引き継ぎました。ジェンさんが子猫達を引き取りに行くと、とってもフレンドリーなレッドが愛情いっぱいにハグをしてきたそうです。
「レッドはたくさんの愛情を望んでいたため、私が養育部屋の掃除をしていると、いつも元気いっぱいに後を追いかけてきて、足にすり寄ってきました。彼は驚くほどの甘えん坊で人間のことが大好きです」とジェンさんが言いました。
「家の中で暮らし始めた子猫達はもう、この先ずっと避難場所や食べ物を探すために歩き回る必要はありません。子猫達は安全な家の中で幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう」とシェルビーさんが言いました。
「完全に4匹の子猫達のお兄さんになったレッドは、とっても優しく、愛情豊かで、いつも子猫達の世話をしています。そんなレッドに育てられた子猫達は自然と愛情深くなり、いつも大きな音で喉をゴロゴロと鳴らしながら、たくさんの『ありがとう』を伝えてきています。」
「レッドと子猫達には少し年齢の差がありますが、レッドはそのことを全く気にしておらず、いつも子猫達と一緒に幸せそうに遊んでいます。彼は本当に可愛くて、いつも家の中をたくさんの笑顔と幸せで満たし続けています」とシェルビーさんが嬉しそうに話してくれました。
出典:jinsbottlebabies/lovemeow