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旅の途中で出会った独りぼっちの子猫。優しい男性のおかげで元気を取り戻すと、驚くほどの『冒険猫』へと生まれ変わる!

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猫の『モーグリ』の人生はモロッコの路上から始まりました。しかし、それから1年も経たないうちに、恐れを知らない『冒険猫』へと大変身したのです。

路上から保護されたモーグリは現在、ドイツのローゼンハイムに住むマーティン・クラウカさんと一緒に、様々な場所を旅しています。モーグリはマーティンのバイクに乗って、今までに12カ国以上の国を旅したそうです。

マーティンさんはモーグリと出会うまで、自分が猫を飼うとは全く想像もしていませんでした。色々な場所へ出かけるのが好きなマーティンさんは、一生動物を飼うことはないだろうと思っていたのです。しかし一昨年の3月、友達と一緒に訪れたモロッコでモーグリと出会いました。

「モーグリは小さな村の通りで、ひとりで座っていました。彼女はシッポを怪我していて、とてもお腹を空かせていました」とマーティンさんは言いました。

「私がモーグリに話しかけると、すぐに彼女は私のところまで歩いてきて、腕の中で眠りにつきました。」

「地元の人にモーグリのことを聞くと、彼女のお母さんは車の事故で亡くなったと言いました。そして、彼女はまだ年齢が若いため、このままひとりで暮らすことになれば、路上で命を落とすことになるだろうと言っていました。」

マーティンさんはモーグリがとても衰弱していて、頭を上げることもできないくらいに疲れ切っていることに気づきました。マーティンさんには衰弱したモーグリを、そのまま置いていくことはできませんでした。

マーティンさんはその日の予定を全てキャンセルして、モーグリをこっそりとホテルに持ち込み、一晩中看病を続けたそうです。

マーティンさんは若くて弱っている動物を家族に迎えることに、どれだけ重い責任があるかを知っていました。その覚悟が自分にあるかが分からなかったため、マーティンさんは答えを出すのを朝まで待つことに決めたそうです。

「私は目を覚ましてからも、どうするかを決められないでいました。でも私は既にモーグリに恋をしていたため、彼女がどのような反応を示すかを見るために、彼女をバイクに乗せてみることにしました。」

「バイクの上は猫達にとって、生きるために最適な場所ではないことは分かっていました。でも、また路上に戻したらモーグリの命が確実に失われると思いました。」

モーグリは最初、バイクに乗ることに慎重になっていましたが、わずか30分で完全に適応したそうです。

それはマーティンさんにとって、最高の旅のパートナーを見つけた瞬間でもありました。

マーティンさんは一昨年の7月に仕事を辞めて、8月下旬に長期間のバイク旅に出かけました。マーティンさんはモーグリと一緒に地中海沿岸からイランに入り、12月にアラブ首長国連邦のドバイに到着しました。その間にふたりは10カ国も旅をしたそうです。

移動中のモーグリはずっと、バイクの正面に取り付けたバッグの中で過ごしました。そして、自然の豊かな場所に来ると、時々バッグから顔を出して、渡り鳥や景色を眺め、マーティンさんに話しかけてきたそうです。

街中に入るとモーグリはマーティンさんの肩に座って、高い場所から新しい風景を眺めたり、レストランやお店を観察したりしました。

「モーグリは本当に冒険が好きな猫です。彼女は新しいキャンプ場に着くと、いつも私の肩に乗って、辺りを見渡しながら周りの安全を確認します。そして、それから何時間も探索に出かけます。」

モーグリは鋭い観察能力を持っているため、マーティンさんがテントの場所が分からなくなった時も、正しい方向に導いてくれるそうです。

「私が買い出しに行くか、周りの環境をチェックするために出かける時は、モーグリはキャンプ場で大人しく留守番をしています。でも、キャンプ場の周辺がとても安全な場所で、車や犬、または他の猫がいない時は、私の後を楽しそうについてきます。」

モーグリとの何ヶ月間もの旅は、予想外のことがたくさん起こりました。猫を連れていけない場所やイベントも多く、国境を越える時も複雑な手続きが必要でした。また、数え切れないほどの店やホテルから入店を拒否され、寒い夜の砂漠で一晩を過ごすこともあったそうです。ふたりの旅はいつもハプニングの連続だったのです。

しかし、マーティンさんにとってモーグリとの旅はそれ以上の価値があり、毎日が本当に充実していたそうです。

「私はモーグリと旅をすることができて、本当に満足しています。きっとこの気持ちは、この旅が終わるまで変わることはないでしょう」とマーティンさんは幸せそうに話してくれました。

こうして路上から保護したモーグリと一緒に長い旅に出たマーティンさん。それはモーグリにとっても最高の旅になっているようです。どうやらふたりの幸せな旅は、これから先もずっと続いていきそうですね(*´ω`*)

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