人生に、もふもふを。

いつも世話をしてくれる女性に温かい愛情を感じた子猫。人間への恐怖心が消えていき、怯えていた心に幸せな変化が

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昨年の10月、カナダのモントリオールに住むバレリーさんが自転車で自宅に戻っていると、通りの反対側に子猫の姿を見つけました。バレリーさんは子猫に飼い主さんがいるかもしれないと思い、子猫のことを調べるために、後で戻ってくることにしました。

それから数回、子猫のいた場所に足を運んだバレリーさんは、数日後に再び子猫に会うことができました。子猫はとても人間を警戒していて、自分のそばに誰も近づかせようとはしませんでした。

バレリーさんは子猫の写真を撮ると、ネット上で子猫の飼い主さんを探し始めました。しかし、結局誰も子猫を自分の猫だという人は現れませんでした。

またバレリーさんは近所の人達に子猫のことについて聞いて回りました。すると近くに住む住人の1人が、少し前からこの辺りをひとりで彷徨い歩く子猫の姿を何度か見かけていたそうです。地元の保護団体でボランティアをしているバレリーさんは、子猫を路上から救い出すことが自分の使命だと強く感じました。

バレリーさんは警戒を続ける子猫に何度もご飯を運んで、信頼を得ようと試みました。すると子猫は日に日にバレリーさんの方へと近づいてくるようになったのです。

それからしばらくすると、子猫自らバレリーさんが来るのを待つようになっていました。子猫はいつもバレリーさんの姿を見ると、ご飯を食べるためにフェンスの下から現れました。

随分と人間を信頼するようになった子猫は、時々バレリーさんに身体を触らせてくれるようになりました。バレリーさんは子猫の身体を撫でながら、子猫を保護施設に連れて行く時が来たことを悟りました。

子猫は寒い冬が来る前にバレリーさんに保護されて、地元の保護施設『シャトン・オルフラン・モントリオール』に運ばれました。

施設のスタッフ達は子猫に『テミス』と名づけました。テミスはまだ人間のことを怖がっていて、保護から2週間ほどは物陰から出てこなかったそうです。「テミスは長い間ひとりで生きてきたため、幸せを知りませんでした」と施設のセリーヌ・クロムさんは言いました。

テミスは保護された後、養育主のマリー・ラインさんと夫のパトリックさんの家で暮らし始めました。夫婦はテミスが新しい環境を受け入れて、心を開くのを辛抱強く待ち続けました。

テミスは毎日、少しずつ人間を信頼し、ここが危険な場所ではないことを学んでいきました。テミスは僅かな音にも驚いたため、夫婦はなるべく音を立ていないように生活していたそうです。

「最初の頃のテミスはとても神経質で、驚くとすぐに物陰に隠れたり、その場で固まったりしていました。でもマリーさん達のおかげで、テミスは徐々に自分の殻を破っていきました。」

保護から数ヶ月後、テミスは完全に人間を信頼し、もう生きるために戦う必要がないことに気づき、ここには敵がいないことを理解しました。

テミスはシッポを高く上げながら、家の中を自信を持って歩くようになり、安全な室内生活を楽しみ始めたのです。

「テミスはとても穏やかになり、抱きしめられるとすぐに喉をゴロゴロと鳴らすようになりました。彼女はキャットツリーが大好きで、お腹が空くと鳴いてご飯を要求してきます。」

そして、バレリーさんがテミスを見つけてから約1年が経ちました。これまで長い時間をかけて里子に出る準備を整えたテミスは、昨日ついに生涯の家へと旅立っていったのです!

「私達は長い間テミスのことを見守ってきました。かつての彼女の目には恐れがありましたが、今はいつも目を輝かせていて、幸せな毎日を楽しんでいます」とセリーヌさんは嬉しそうに話してくれました。

テミスは新しい家に行ってからも物陰に隠れることなく、すぐに家の中の探索を始めたそうです。テミスはもう人間が優しいことを知っていて、これからも温かい未来が待っていることを知っているのです(*´ω`*)
出典:Rescuechatonsmontreallovemeow

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