ある日、猫の保護活動を行なっているケイティー・バックマンさんが、地元の保護施設を訪れると、突然ケージの中から子猫の叫び声が聞こえてきました。ケイティーさんがすぐにそちらの方を向くと、そこには目の見えない子猫がケイティーさんに向かって必死に鳴いていたのです。
「この小さな男の子は迷子になっているところを保護されて、保護施設へと連れて来られました。私はこの時、別の2匹の子猫のために施設を訪れましたが、鳴き続ける彼をその場に残していくことはできませんでした」とケイティーさんは言いました。
ケイティーさんが近づくにつれて、子猫はさらに大きく鳴きました。ケイティーさんは施設から3匹の子猫を引き取ると、すぐに動物病院へと向かったそうです。
「彼は疲れていて、怖がっていて、食べ物以外には反応しませんでした。」
ケイティーさんは子猫を自宅に連れて帰り、電気パッドと毛布で身体を温めました。先住犬の『バート』も子猫のことが心配だったようで、ずっとそばで見守っていてくれたそうです。
「翌日になると、彼は別の子猫へと生まれ変わっていました。彼は私の顔を舐めて、オモチャで遊び始めました。彼はとても遊び好きで、愛情深く、甘えん坊の子猫です。」
子猫は小眼球症(眼球が異常に小さい状態で生まれる先天的な疾患)で、全く目が見えませんでした。しかしそのことが子猫の行動を制限することはありませんでした。
ケイティーさんは子猫のために特別な家が必要だと分かると、保護施設『オッド・キャット・サンクチュアリ』に連絡をして、子猫を助けることができるかを尋ねました。
保護施設の創始者のタラ・ケイさんは快諾して、すぐに子猫を迎えてくれました。「私達は障がいのある猫達を受け入れ、里親さんが見つからない場合は、私達の施設で最期まで世話を続けています。たとえ猫達がどんな困難を抱えていても、私達は困っている猫達を受け入れることに決めています」とタラさんは言いました。
子猫はその後、スタッフ達によって『メルビン』と名づけられました。
「メルビンはとても愛らしい男の子です。彼はいつも誰かにかまってもらうために大きな声で鳴きますが、愛情を感じた瞬間にピタッと鳴き止んで、幸せそうに喉を鳴らし始めます。」
施設に来た時のメルビンは体重不足でしたが、それから数日が経つと、お腹がふっくらと膨れてきたそうです。
メルビンは物を見ることができませんが、代わりに他の感覚を使って、部屋の中を上手に歩き回ることができます。メルビンは家具などの場所を記憶していて、素晴らしい聴覚と嗅覚で、動いているオモチャの場所も正確に特定することができるのです。
「メルビンは音や匂いを頼りに行動しています。彼はとても勇敢で、何も恐れていません。」
メルビンは視覚以外の感覚を使って、身の回りのものを『見る』ことができます。メルビンはとても好奇心が旺盛で、冒険するのが大好きで、他の子猫達と同じように行動することができるのです。
メルビンは新しい生活を愛していて、家の中でお気に入りの場所をいくつも見つけたそうです。
「私はメルビンに出会い、新しい家を見つけることができてとても幸せに思っています。私はこれからも最善を尽くし、1匹でも多くの猫を助けていこうと思います」とケイティーさんは話してくれました。
こうしてケージの中で叫んでいたメルビンは、ケイティーさんのおかげで人生が大きく変わりました。
メルビンは毎日の生活にとても満足していて、今日も家の中を元気に遊び回っているのです(*´ω`*)
出典:TheOddCatSanctuary/Katie Buckman/lovemeow