ある日、クリーム色の長い毛の猫が、交通量の多い道路の近くをウロウロしている姿が目撃されました。その猫は地元の郵便局の外で見知らぬ人達に近づいていました。猫は明らかに道に迷っていて、誰かの助けを必要としていました。
心配した通行人がSNSで助けを求めると、すぐに地元でTNR活動(野良猫の不妊去勢手術を行い、元の場所に戻す活動)をしているルースさんの耳に入りました。「郵便局で人懐っこい猫が駆け寄ってきたという電話やメッセージが、ルースさんの元に何度も届きました」と保護団体『テイルズ・ハイ』のスタッフが言いました。
ルースさんはためらうことなく全てを放り出して、現場に駆けつけました。
出典:tailshigh
「交通量の多い道路にいる猫を助けて欲しいと頼まれたルースさんはこの時、山ほどの用事を抱えていました。でも彼女は猫を助けなければならないと強く感じました。」
ルースさんが現場に到着すると、猫はまるで自分のことを助けに来てくれたことが分かっているかのように、自らルースさんの元に近づいて行きました。そして何も言わずにキャリーの中に入って、新しいスタートを切る準備を始めたのです。
出典:tailshigh
『ミスター・ポストマン』と名づけられた猫がルースさんの家に到着すると、すぐに新しい環境に馴染んで、まるで今までずっとそこにいたかのようにくつろぎ始めました。
それはまるで運命のようでした。ルースさんは最近辛い喪失感を経験していて、ポストマンはルースさんの悲しみに暮れている心を癒してくれたのです。「ルースさんが温もりを必要としている時にポストマンが現れました。」
その後、ルースさんはポストマンのことを誰かが探しているかもしれないと思い、SNSで行方不明の猫の情報を探して、ついに一致するものを見つけました。しかし、ポストマンは行方不明になっていた猫だったにもかかわらず、既に元の家族がポストマンを必要としていないことが分かりました。
その家族は別の場所に引っ越していて、ポストマンを引き取らないことに決めていました。そのためルースさんはポストマンを保護団体に引き渡すことに決めました。
そんな状況だったにもかかわらず、ポストマンは気持ちを沈ませることはありませんでした。
出典:tailshigh
ポストマンは養育主さんの家に移動するとすぐにベッドを占領して、まるで影のように養育主さんの後をついて回るようになりました。「ポストマンは養育主さんの家でも楽しそうに過ごしていて、たくさんの愛情を求めています。彼は頭を擦りつけたり、喉をゴロゴロと鳴らしたり、チャンスが訪れるたびに養育主さんに寄り添ったりしています。」
またポストマンは柔らかいものをフミフミすることも大好きでした。
ポストマンは好奇心も旺盛で、オモチャを追いかけたり、窓から野鳥を観察したり、みんなの注目を引こうとしたりしています。「ポストマンは素直な男の子で、とっても優しい心の持ち主です。」
安全な家の中で暮らすことができたおかげで、野外にいた時のボサボサの毛並みは消え去り、全身の毛に輝きを取り戻しました。そして今はフサフサのたてがみを揺らしながら、家の中を堂々と闊歩しているのです。
出典:tailshigh
少し前まで路上を彷徨い歩き、郵便局の前で助けを求めていたポストマンは、ルースさんの素早い行動と思いやりのおかげで大きく変わることができました。ポストマンは養育主さんの元で元気な姿を取り戻し、まるで王様のような生活を楽しんでいるのです。
出典:tailshigh
ポストマンは現在6歳ほどで、生涯の家族の元に笑顔を届ける準備ができています。ポストマンはいつも幸せそうにゴロゴロと喉を鳴らしていて、甘えたい気持ちが抑えきれず、心の中は愛情で満ち溢れているのです。
出典:tailshigh/lovemeow