ある日、森の中から出てきた子猫に気づいた近所の住人は、子猫をそのままにしておくことができませんでした。子猫はとても弱々しく、もつれた毛の下は骨と皮だけでした。子猫は抵抗したり逃げたりすることなく、発見者が自分を抱きかかえることを許しました。それはまるで子猫がやっと自分の身が安全になったことを分かっているかのようでした。
子猫の窮状を知った地元の保護施設『シャトンズ・オルフランズ・モントリオール』のスタッフ達は、すぐに子猫の元に駆けつけました。「私達は引き取った子猫に『ニキチャ』と名付けました。彼女は生後6ヶ月くらいで、毛にトゲが絡まっていました」と保護施設のスタッフが言いました。
ニキチャはほとんどご飯を食べていなかったようで、体重が非常に不足していました。
「ニキチャは長い間適切な食事をしていなかったため、胃が縮んでしまっていました。そのため私達は少しずつご飯を食べさせて、慎重に体重と体力を増やしていきました。」
保護されたばかりの頃のニキチャは非常に疲れていたため、ほとんどの時間を寝て過ごしました。そして数日後、養育主さんはニキチャの足に治療が必要な感染症があることに気づきました。
動物病院に向かったニキチャは、足の洗浄と感染症の治療を受けました。これまでに様々な困難を乗り越えてきたニキチャは、治療してくれた人達全てに感謝の気持ちを伝えて、自分に向けられた愛情を全て吸収しました。
「ニキチャはとても繊細で痩せ細っていたため、養育主さんは彼女の体を常に温かく保つために小さなセーターを着せました。」
養育主さんはニキチャが元の状態に戻れるように、一日中少しずつご飯を食べさせました。そのおかげでニキチャは体重を増やすことができ、元気を取り戻して、抱っこされることに最高の喜びを感じるようになったのです。
体力が回復するにつれて好奇心も戻ってきて、愛情深い性格がさらに際立つようになりました。「ニキチャは最初の日からゴロゴロと喉を鳴らして、まるで感謝の気持ちを伝えるかのように養育主さんに前足を乗せました。」
養育主さんの元で着実に体重を増やしたニキチャは900gを超えて、セーターを着る必要もなくなりました。
ニキチャは養育主さんに寄り添うことが大好きで、常に愛情を求めて、幸せそうに腕の中で丸くなりながら過ごしています。ニキチャは愛されていることが嬉しくて、いつも安心しながら眠りに落ちていくそうです。
「ニキチャはまだ愛情と注意を求める赤ちゃんで、よく養育主さんに寄り添いながらゴロゴロと喉を鳴らしています。また彼女はお風呂の温度がちょうど良いかを確認するために、前足をお湯につけたりしています。彼女は他の子猫達とも遊んだりしていますが、やっぱり人間と過ごす方が好きで、いつも養育主さんのことを追いかけています。」
「ニキチャがもしあのまま外にひとりでいたら命を落としていたことでしょう。彼女が安全な場所にいられることに、私達は大きな喜びを感じています。」
ニキチャはまるで犬のように、養育主さんの後をいつも嬉しそうに追いかけています。そして養育主さんと一緒にテレビを見て、養育主さんと一緒に眠りにつきます。
さらにニキチャは車の中でも養育主さんのそばから離れることはありません。「ニキチャは飢えた孤独な状態で発見されましたが、ここまで成長することができました。それは本当に驚くべきことです」と保護施設のスタッフが話してくれました。
ニキチャは快適な室内生活にすぐに慣れました。今のニキチャはお気に入りのオモチャのコレクションを持っていて、特に釣り竿のオモチャにはいつも全力で挑んでいるそうです。
ニキチャはみんなの愛情ですくすくと成長を続けていて、もう二度と外で過ごす必要はないのです。
ニキチャはフワフワの毛並みと、会う人全ての心を溶かす愛らしい性格の持ち主で、安全な環境と優しい人達のおかげで、本来の姿を開花させることができたのです(*´ェ`*)
出典:comrescuemontreal/lovemeow.