ある日、子猫の『リプリー』と兄弟が家の庭に迷い込んできました。子猫達はそこで助けを求めて鳴き続けましたが、母猫が姿を現すことはありませんでした。
この家の近くに住む保護施設『パピー・キティー・ニューヨークシティー』のスタッフが子猫達の窮状を知ると、すぐに養育ボランティアのアリッサさんに助けを求めました。子猫達はみんなひどい状態で、獣医さんの助けを必要としていました。
アリッサさんは躊躇することなく子猫達を受け入れると、一晩中世話を続けて、適切なケアを行いました。
子猫達はアリッサさんの力を借りながら必死に病気と闘い続けましたが、猫汎白血球減少症によって命を落としました。そんな厳しい状況の中、リプリーだけが何とか命をつなぐことができたのです。またリプリーは白癬(はくせん。カビによる感染症)とも闘っていました。
アリッサさんと夫は24時間体制で看護ができるように、交代しながら世話を続けました。「私達は二人ともあまり寝ていませんでしたが、リプリーの懸命な姿に力をもらいました」とアリッサさんが言いました。
しばらくの間、夫婦はリプリーの敏感なお腹に適したご飯を見つけるために、手探り状態でいくつものご飯を試しました。
そしてついにリプリーの体重が増え始めたと思った矢先、リプリーは突然体調を崩しました。リプリーは再び厳しい状態に陥りましたが、水分と薬で無事に立ち直ることができました。夫婦はそんなリプリーに寄り添いながら、たくさんの愛情を注ぎ続けました。
リプリーは治療が終わるまでの間、他の猫と交流することはできませんでした。
リプリーはゆっくりと、しかし確実に安定していき、徐々に元気を取り戻していきました。またリプリーの顔や首や耳の失われた毛が、再び成長し始めました。「リプリーの治療はとても大変でしたが、無事に危険な時期を降り越えることができました。」
夫婦はリプリーが孤独を感じないように、出来る限りの世話と愛情を注ぎ続けました。そしてついにリプリーは回復室を卒業して、他の猫と対面を果たすことができたのです。
「私達はリプリーが回復し、ここまで来ることができたことに大きな喜びを感じています。」
「リプリーはようやく部屋の外に出て、友達を作ることができました。彼女は他の猫との接し方を学ぶために、まだまだやるべきことがたくさんあります。」
新しい場所で過ごし始めたリプリーは、身の回りにあるもの全てが新鮮で、いつも好奇心が刺激されています。「最初は猫達に向かって唸り声を上げていたリプリーでしたが、今は無邪気にオモチャに飛びついています。」
「リプリーはエネルギーに満ち溢れた面白くて好奇心旺盛な子猫です。彼女は人間の肩に登るのが大好きで、いつもその場所から周りの様子を観察しています。そして興奮しながらオモチャを追いかけています。」
「またリプリーは抱っこされたり、キスをされたりするのも好きです。彼女は私が料理をしたり、本を読んだりしている時に、いつもそばで過ごしています。」
その後、リプリーは幸せで、遊び好きで、元気いっぱいの若い猫へと成長しました。リプリーの全身の毛は柔らかくて輝いていて、いつも嬉しそうにゴロゴロと喉を鳴らしているそうです。
「私達はあんなに小さかったリプリーが、里子に出られるほどに成長したことが信じられません。彼女の身体はまだ同い年の子猫よりも小さいですが、毎日確実に成長を続けています」とアリッサさんが話してくれました。
こうして庭で助けを求めていたリプリーは、優しい夫婦のおかげでここまで成長することができました。リプリーはこれからも安全な家の中でたくさんの愛情を受け取りながら、いつまでも幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:adoptablesnyc/lovemeow